2008年08月28日
トリーター:伊藤

ただいま「子」育て奮闘中

・・・といっても、飼育動物の「子」です。
石垣島マングローブ水槽のヒルギハシリイワガニが卵を産み、先日無事?水槽内に幼生を放出したので、その一部をバックヤードの水槽で育てているのです。
カニの子どもは最初、「ゾエア」という状態で泳ぎだします。
巨大な頭(頭胸部)には前後左右にトゲがあり、特に前後のトゲはフェンシングの剣のごとく長く尖っています。
・・・余談ですが、この夏、海水浴で足の付け根やわきの下などにジクッ!と激痛が走ったという方いますよね?
あの痛みの原因の一つはクラゲですが、もう一つはこのカニの幼生のトゲだというウワサです(確かに刺さるととても痛そう)。俗にいう「チ○クイムシ」です。

もっとも、このトゲは攻撃のためにあるわけではなく、体の表面積を増やして、体が沈みにくくするビート板のようなものであり、特に、泳ぎを止めなくてはならない脱皮の時などに役立つといわれています。
「ゾエア」がこのまま順調に育つと、数回の脱皮を経て「メガロパ」というエビのような幼生になり、その後で幼体(子ガニ)になるはずです。
育てるのはけっこう難しく、私も過去に失敗したことがありますが、今度こそうまく育てられればと意気込んでおります。
もし進展があれば、どこかで報告したいと思います。

愛を育むヒルギハシリイワガニと冷やかしのヤドカリ愛を育むヒルギハシリイワガニと冷やかしのヤドカリカニの幼生、ゾエア(2期) カニの幼生、ゾエア(2期)

太平洋

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