2009年10月31日
トリーター:櫻井

いるはずのない?生物


今年の海は少々、例年とは違った顔をのぞかせてくれています。
大量発生で漁師さん泣かせのエチゼンクラゲ。
本来日本海で大量発生し、太平洋側の湘南にまでやってくることはあまりありません。
しかし今年は、真鶴、江の島、葉山、大楠、城ヶ島など、相模湾のいたるところで目撃されたり、定置網にかかったりています。
今年はなぜここまで多くのエチゼンクラゲが相模湾で見られるのでしょう。
確定的な理由ではありませんが、一つの捉え方としては以下の見解が挙げられます。

エチゼンクラゲは、日本海から北上し、津軽海峡を通過して太平洋側に出たあと南下していきますが、通常太平洋側を北上する黒潮の影響で、相模湾まで達することなく岸から離れます。
しかし今年の黒潮の経路は、例年より沖を北上しているのです。
離岸した黒潮の影響を受けることなく、相模湾までの南下経路が確保されているのではないか、というものです。
若干小さめの個体なので、強い遊泳力があるという考え方もできます。

「海は繋がっているから何がいてもおかしくない」などと、冗談でよくいったものですが、海は毎年さまざまな顔を見せてくれています。

相模湾のエチゼンクラゲなど注目を浴びやすいですが、毎年海に潜っていると、実はたくさんいる魚の種類が毎年違っていたりするんですよ。
メジナが多い年、アイゴが多い年、ハリセンボンがやたらいる年・・・ 。
海流や天候の影響でさまざまな顔をのぞかせてくれる海の、良い例かも知れませんね。

エチゼンクラゲエチゼンクラゲ

RSS