2010年02月16日
トリーター:根本

刺激的な日々


水族館で働いているとさまざまなことが巻き起こります。日々刺激的な毎日を過ごています。
きょうは最近起きた刺激的な出来事についてのお話です。

ミノカサゴ、いわずとしれた毒魚です。ピンンク色の体にドレスのようなひれをたなびかせて華麗に泳ぐ魚です。
背びれや腹びれの先に毒針があり、本人はそれを自覚しているのでしょうね、人が潜ると何も恐れずなつっこく近寄ってきます。
こちらも「まず向こうからは刺してこないだろう」とたかをくくって日々大水槽に潜ったときには楽しく接しています。
しかし、環境問題水槽でコケの掃除をしていたある日、私はその毒針の恐ろしさを知ったのです・・・。

あれは十数匹のミノカサゴがいる環境問題水槽に潜ってコケを取る作業だった。
網を張り、すべてのミノカサゴをすみに隔離し、万全の体制で潜ってみると、いつの間にか網の隙間をすり抜けてきたミノカサゴが 1匹、目の前を泳いでいた。
顔の数センチ前をフリフリ泳ぐミノカサゴ。
攻撃してきそうな素振りは見せてない。
動かなければ刺される事はなさそうだ。
しかし、掃除中に動かした手がぶつかり刺ささる危険があるので、どうにか追い払おうといろいろ考えた。
手で追うのはグローブをしていてもさすがに危ないし、適当な道具はコケ取りようのタワシしかない・・・。
上でサポートしてくれる人も丁度不在。いろいろ考えた末、最高に安全な撃退方法をひらめいたのだった。
それは足の裏!
履いているブーツの裏には靴底があり、かなりの厚さのゴム底になっている。
「この靴底があればミノカサゴの刺など恐れるに足らず!」
と足の裏でジャイアント馬場のごとく追いやっていき、もうすぐ網の向こう側に行きそうなとき、足に軽い衝撃が・・・。
逃げると見せかけてのミノカサゴのバックアタック。
「なるほど! 敵に教われたときにはこうやって背の刺で攻撃するのかー! 」と感心しているうちに、足の裏がズキズキと鈍い痛みが走り始めた。
どうやら 1cmくらいのゴムなんて全然盾にならなかったらしい・・・。
ズキズキした痛みはそれほど悪化しなかったので掃除を続行。終わってブーツを脱いで自分の足の裏を見たら見事に 3つの穴が開いたのでした。

最近ではゴンズイ、ハオコゼ、ミノカサゴの 3つの毒を体験しましたが、ハオコゼは小さいくせに痛み具合が同じなので要注意です。
この痛みを例えるなら、傷口にバイキンが入ってその痛みが広がっていくような感じですかね。
鈍く重い痛みで長く続くので嫌なものです。

しかし、なんだかんだいって一度は経験したい私としては、次は電気ものを体験してみたいものです。
ちょうどシビレエイを世話していますので、いつかその電撃をみなさんにお伝えする日が来るかもしれません。
こうご期待!
みなさんは刺されないように気をつけてくださいね!

ミノカサゴミノカサゴ

えのすいeco環境水槽

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