2010年04月26日
トリーター:今井

つぼみ咲く


最近、妙におとなしくなったミズダコ(愛称:つぼみちゃん)が、水槽の壁面に 1cm弱の小さな卵を産み付けてしまいました。
“しまいました。”と書いたのは、「ほとんどのタコが繁殖の役目を果たすと死んでしまう」からです。

タコの仲間は、展示水槽に複数匹入れると、大抵喧嘩をはじめます。
まれに時期や相性が良かったとしても繁殖行動をとり、やがて死を迎えるため、お客様に見栄えのする大きさのタコ展示は、1匹飼いが無難なのです。

ただ、まともに産卵すれば数百数千の数になるのですが、今回はちょっと試しに産んだ?ような感じで、ポツリポツリと付いていたので、願わくば長く生きて欲しいなと思っています。
無事であれば、やがて食欲も戻り飼育係にじゃれついて?来ることでしょう。

この“つぼみちゃん”、ここ数か月の間にいろいろ取材されて、まさしく「つぼみ咲く」といった状況でした。
こんなことをトリーターの辛口K君に話をしたら、
「咲いて実になる奴と、散って終わりの奴がいる。
知り合いの独身貴族の先輩も、ここ数か月で長を担ったり、恋人と付き合ったりしたものの駄目になりそうだ・・。
つぼみちゃんを見習わせたい!」

と、水槽を見つめ、少し涙ぐんでいました。

ミズタコのつぼみちゃんミズタコのつぼみちゃん

太平洋

RSS