2010年05月28日
トリーター:櫻井

水族館を100倍楽しむ方法


大水槽の右隅。底砂が一角だけ変わっています。
大水槽には 90種類もの魚たちが暮らしていますが、これだけ違う種類の魚たちがいれば、習性が異なるのは当たり前の話です。
習性が異なる魚たちが同じ水槽で暮らすためには、棲み分けが必要です。

イワシなどの常に群れで泳ぎ回る魚には表層付近の広いスペース。
ミノカサゴは暗く且つ大きな岩場付近。
あまり動かない底でじっとしているツバクロエイには極力細かい底砂。

というわけで試験的に底砂を細かい海砂に変えてみたところ、思ったとおりツバクロエイがわらわらと。
「すごい!」
「きれい!」
「イカス!」
という水槽を作るのは、直接集客効果にも繋がり大切なことなのですが、命を扱う我々飼育員としては、生物の棲む環境を考えて水槽を作りこむことは非常に重要な仕事の一つとなります。

大うけする非常に珍しい生物を頻繁に交換し、公開したりすることはなかなか難しいですが、このような観点から日々飼育員の工夫は水槽内に反映されています。

「いつも生物変わらないなー。どこの水族館にもいる生物だなー。」
ではなく、
「この水槽のここの部分面白い!この水槽のこの部分が前とは違う!」
といった見方をしてみると、生物の習性からその生きざままで見えてきますよ。

相模湾大水槽相模湾大水槽

相模湾ゾーン

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