2010年07月26日
トリーター:根本

深海コーナーの裏では その 4


シロウリガイの放浪癖が止まりません・・・ 。
以前にも日誌に登場した深海コーナーの秘蔵っ子のシロウリガイ。数ある深海の貝の中でもかなり飼育が難しいシロウリガイなのですが、現在飼育世界記録を更新しながら深海コーナーの一番大きな化学合成生態系水槽で暮らしています!
毎朝心配しながら水槽をのぞくのですが、そんな心配をよそに突然フラフラ~っと何処かへ出かけてしまいます。
先週の 24日の土曜日の朝にはどこかへ出かけてしまったらしく行方不明に・・・ 。
その日は一日帰ってこず、日曜日の昼に、まるで何事も無かったかのように元の場所に戻ってきて、泥の中から元気に水管を延ばしていました。
お客さんが多い日に限っていなくなるなんて・・・ 
なかなか憎いヤツです。
こうも安定して見ることができないと、『おすすめです!』と声を大にしていいにくいんです・・・ 。
でも超おすすめ生物ですよ!
なんたってアクリルガラス越しに生きた状態が見られるなんて、他には「しんかい6500」くらいしか無いですからね!
もし来館された際に発見しましたらじ~っと観察してみてくださいね。
じっくり観察できるのが飼育の良いところです。

ちなみに、彼はなぜ出かけた後もちゃんと戻ってくるのでしょうか?
真実はわかりませんが、私は充電をするために帰って来ているのだと思っています!
彼のご飯は泥の中から沸き出す硫化水素。実はその硫化水素を泥の中から沸き出させるシステムが化学合成生態系水槽にはあり、そのシステムがあるのが右端のハオリムシ前の泥の中なんです。
つまりシロウリガイが戻ってくるその場所なんです。
もしこの説が本当ならば、この水槽がリアルな深海に近づいてるってことですからね、うれしい限りです。
本当の深海でもウロチョロと動き回っているのかもしれないですね。

日曜、月曜と動きが無いので「ただいま充電中」って感じでしょうかね。そして週末にまた動き出すのでしょうか・・・ 。

バックナンバー
[ 深海コーナの裏では その 3 ]
[ 深海コーナの裏では その 2 ]
[ 深海コーナの裏では ]

シロウリガイ (C)JAMSTECシロウリガイ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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