2011年05月19日
トリーター:小谷野

クラゲの家


グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』はみなさんよく御存じですよね?
このお話では、有名な『お菓子の家』が出てきます。
きょうはクラゲをまるで『お菓子の家』よろしく食べたり、クラゲがせっかく捕まえた餌を横取りしたり、クラゲをすみかにしている生き物たちを御紹介しましょう!

タコクラゲとシマイシガニ
毎年“えのすい”では、8~ 9月になるとタコクラゲ採集に行きます。そこで、タコクラゲと一緒に採集されるのがシマイシガニ。
タコクラゲの傘の下に隠れて『家』として利用しつつ、よくよく観察してみるとタコクラゲが捕まえた餌を横取り!
なんともちゃっかりしています。

ムラサキクラゲとアジのなかま
こちらはなんともほほえましい。
ムラサキクラゲに寄り添う姿に癒されます。
アジのなかまからムラサキクラゲを取り上げると、アジのなかまはかなり慌てたようす。精神的ショックを受けるのか、ときに餌を食べなくなってしまいます。
アジのなかまにとって、ムラサキクラゲは安心できる存在なのでしょうか・・・。
まだまだわからないことだらけで、研究の価値ありです。

エチゼンクラゲとクラゲモエビ
傘の大きさが 1~ 2mもあるエチゼンクラゲ。
エチゼンクラゲ 1個体に 1匹のクラゲモエビというわけではなく、エチゼンクラゲの傘の上や下、口腕(足のような部分)などに、ときに 20匹~ 30匹ほど暮らしています。
まだ詳しいことはわかっていませんが、エチゼンクラゲの破片を与えたところ食べたため、どうやらエチゼンクラゲを食べつつ、『家』として利用しているようす。
エチゼンクラゲにとって得があるのか、それともクラゲモエビに利用されているだけなのか、こちらもまだまだ謎だらけです。

刺されると痛いし、漁師さんにとっては網に大量に入って漁の邪魔になるし・・・、ということで人には嫌われることが多いクラゲ。
でも、クラゲだって他の生き物にとってはなくてはならない存在なのです。

ムラサキクラゲとヨロイアジ属の一種ムラサキクラゲとヨロイアジ属の一種

クラゲファンタジーホール

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