2011年08月29日
トリーター:伊藤

カニに夢中で腰いたた


お盆明けより、温かい海ゾーンの 1つをいわゆるマングローブに展示変更しました。
数年前にも似たような展示をやったことがあり、「水中に根幹をおろす植物によじ登るカニやヤドカリの行動を見せたい」というコンセプトはそのままに、カニたちが登る水面上や水際の空間を増やして、より一層判り易く、マングローブ生物たちの巧みな暮らしぶりを紹介しようと考えています。

今展示しているカニの一部は、目の前の相模湾で採集したものです。
実は、南国のマングローブと相模湾のどちらにもいる種があり、それらをメインに探しました。
とはいえ、相模湾沿いにはマングローブどころか満足な干潟すら少ないです。
そんなところでのカニたちは、テトラポッドや石積み護岸といった人工物に寄り添って暮らしています。

さて、過去の日誌で何度かお伝えしましたが、こうした「よじ登るタイプのイワガニ類」の常として、素早さと警戒心は水際の小動物としてはトップクラスです。
生息場所はたいていデコボコしているため、網もほとんど役に立たず、採集はもっぱら素手となります。

私が選ぶ「素早いイワガニランキング」は、

3位 クロベンケイガニ
頑張れば子どもでもつかめます。
巣穴から離れた時を狙います。
挟む力が強いのでご注意ください。

2位 カクベンケイガニ
素早さはフナムシ以上、警戒心が強いうえ、根気強く?隙間から追い出そうとしても、ガッチリと体を固定して出てきません。

1位 フタバカクガニ
体感的にはクロベンケイの3倍くらい速く、用心深さはカクベン以上。
逃げを打つのも早く、ほとんどの個体は数mに近づく前に姿を隠しています。
採集するには、カニが隠れている(と思われる)石を一気にひっくり返して、その瞬間に素早く手を繰り出すしかありません。

・・・ 8月の上旬、フタバカクガニを追いかけて瓦礫をひっくり返し続けていたら、腰にピキリと嫌な感じが。
そんなわけで今年の夏は、腰を気にしてぎこちない動きでした。

みなさん!
カニ採集の時はくれぐれも気をつけてください(特に腰痛持ちのお父さん)。

カクベンケイガニカクベンケイガニ

太平洋

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