2012年10月09日
トリーター:岩崎

それぞれの食事


この生き物は何を食べているのかな?
新着生物を入手した際いつも悩むところ。
餌が解れば飼育できるチャンスが高くなるからです。
最近リンキクチス幼生やヒョウモンダコなど、新着生物を担当する機会に恵まれ、悩みながらも新しい発見にワクワクしているところです。

リンキクチス幼生は、ほとんどがイットウダイ科の魚特有の赤い縦しま模様の稚魚に成長していますが、中にはリンキクチス幼生と稚魚の中間のような黒しまの個体も見られます。
夜行性なので日中は岩陰に隠れていることが多いのですが、餌のブラインシュリンプなどを与えると表側にもよくでてくるので観察しやすくなります。
朝9時頃と夕方 3時頃が餌の時間なことが多いので、ぜひ覗いてみてください。

ヒョウモンダコは小さなエビの仲間、イサザアミをよく食べています。
足を大きく広げてイサザアミをつかまえ、包み込むように口の中に取り込んで食べるようすは、のんびりとしてなんとなく優雅な感じです。
タコの仲間は力強く獰猛な感じの種類が多いのですが、ヒョウモンダコは唾液に猛毒を持っているので、一咬みすれば相手がしびれて動けなくなるため、ガツガツとしたパワープレーが必要ないのかも知れません。

ブラインシュリンプやイサザアミなどの餌生物は、相模湾大水槽のスロープで拡大映像にて紹介しています。
どんな生き物かご覧ください。

新着生物以外にも意外な餌が好きな生物を見つけました。
アマモ水槽のアマモは、中央から新しい葉が生え、外側の古い葉が次第に切れて離れていきます。
毎日たくさん切れて水面に浮いて来るので、その切れ端を何かの餌に使えないかと考えていました。
ウニに与えてみようと思い、アマモの切れ端を相模湾キッズ水槽に入れてみると、ホンヤドカリたちが群がって、あっという間に食べつくしてしまいました。
エビやイカ、魚肉よりも活発な反応です。
ヤドカリといえば雑食性生物の代表格のような存在ですが、ホンヤドカリの仲間は自然の海でも流れ着いた海草や海藻を主食としているのかも知れません。

生き物が食事をしているようすは一番面白い瞬間です。
見慣れ生き物からも意外な発見があるかも知れません。
館内で餌を与えているトリーターを見かけましたらどんな餌をどんなようすで食べているか? よーく観察してみてください!

リンキクチス幼生リンキクチス幼生ヒョウモンダコヒョウモンダコアマモを食べるホンヤドカリアマモを食べるホンヤドカリ

相模湾ゾーン

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