2012年11月27日
トリーター:北嶋

ゴエモンはなぜ熱水噴出孔に集まるのか?


ゴエモンとは、沖縄の深海にすむコシオリエビ(ヤドカリに近い)の仲間で、正式和名はゴエモンコシオリエビといいます。
ゴエモンコシオリエビの腹側にはもさもさ毛が生えていて、ここに深海の温泉成分(硫化水素など)を栄養にして増えるバクテリアを飼っていて、バクテリアを増やすために温泉が湧き出る「熱水噴出孔」に集まる習性が知られています。

この熱水噴出孔は

1. 熱い(高いところでは 300℃以上)
2. さまざまな温泉成分(鉄や硫化水素やメタンなど)が含まれている
3. 噴き出す水の流れがある

などの特徴があるのですが、目のないゴエモンコシオリエビが何を感じてこの熱水噴出孔へ集まってくるのか、は実はまだよくわかっていません。
過去に、“えのすい”で調べたところ、同じように深海の温泉にすむユノハナガニという白いカニが熱に集まることがわかったので、ゴエモンコシオリエビも同じような方法で調べたことがあります。
結果は、「熱は集まる要因にならない」ということでした。
そこで、きのうの夜、新しく水流を感じて集まるか?という実験をするために水槽の配管に細工をしました。
2か所、岩組みの隙間から底から上に向かって水が噴き出すようにしてみました。
まだ水の勢いなど調整中ですが、みなさんが見ることのできる展示水槽で実験中ですので、ぜひ、ゴエモンコシオリエビのいる水槽を覗いて、ゴエモンちゃんたちがどんな動きをしているか観察してみてください。
集まってきてくれたら、いいな。

ゴエモンコシオリエビ (C)JAMSTECゴエモンコシオリエビ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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