2012年12月28日
トリーター:石川

ペンギンの健康診断~体重測定


先日健康診断の結果が返ってきた。

いつも通り・・・ 体脂肪を警告するコメントが。
お腹まわりは気になるところ。今年は寒さを例年より感じるような気がするし、冬場は少しくらい脂肪があっても消費できる。
クマだって、イノシシだって冬前には良く食べて肥えておかないと冬越せないじゃん・・・ と勝手に解釈し、横這いをもくろむ自分が“また”ここにいる。

さて怠けもののトリーターは置いておいて、ペンギンたちの健康診断のお話しです。

基本は 10日に 1回の体重測定!この方法も前と今では少し違うのです。
かつては朝、寝込んでいるペンギンを全羽捕獲して体重を量っていました。

理由は、
1.朝何も食べていない状態を基準値にすることで、変化を明瞭にしたい為。
2. 羽が水分を含んでしまうと、羽づくろい後でも 20~ 30gくらいの誤差が出てしまう為。

などがあります。

いかに全羽をプールへ入る前に捕まえるか、という儚いテクニックを磨いていました。
まあ、これはこれでペンギンたちそれぞれの性格や行動を熟知する上で、それなりに役には立っていたのですが、こちらの動作が歳を追うごとに鈍ってくると、捕獲できる羽数が徐々に減ってくるというむなしい結果が見え隠れし、1日で計測できていたのが 2日かかったりしていました。

ちなみに、体重計は 10g単位で量れる上皿天びん秤(ばね式の秤)を使用しています。
ペンギンが体重計の上で完全に静止することは困難です。
通常のデジタル計では 1g単位の値がめまぐるしく変動し、読み取れません。
本当は高価なデジタル体重計で、ブレの平均値を出してくれるような優れ物があればいいのですが・・・
産婦人科で赤ちゃんの体重を量るタイプのもので、このブレの平均値を出してくれるものもありますが、水周りでの使用にはあまり適していないようです。

もともと自主的に体重計に乗ってくれるようにしたいとは思っていたので、新人トリーターの着任をきっかけに、「コハク」からはじめ、きょうまでに「ユメ」、「メロディー」、「グー」、「ヒカル」、「アカリ」、「ウタ」、「チョキ」、「コンペイ」、「フク」、「ノゾミ」の順に体重測定を覚え、自ら体重計へ乗るようになりました。
ただ、捕まえていた時より時間がかかるのが難点です。
ペンギン任せなところが多分にあるので、同じように教えたつもりでも、 11羽それぞれ理解力が異なります。
1羽1羽を尊重しているので仕方がないのです。

最近このメンバーに自主的に加わってきたペンギンがいます。「マリー」です。
この年代のペンギンたちが、こういったことへ参加してくるのは珍しいことです。
いつもガラス面でお客さまと遊んでいるトレンディーなところが良いのだと思います。
気まぐれでなければ良いのですが・・・。

さて今年の体重は・・・例年に比べて全体的に低めです。

1年前と比べて、同じ量のカタクチイワシを与えていても体重が下がってきてしまいます。
サイズや獲れた時期、獲れた場所によって脂のノリ方が違うため、同種同量でもカロリーが低いので、体重増加に結び付かないようです。

こういった場合は少し増量してみて、それでもダメなら魚種を変えたりします。
このため餌を単一魚種にしないことも必要です。
良かれと思って購入した新しい魚には見向きもしないのでは健康を維持できなくなってしまいます。
今はイカナゴ、サンマ、シシャモ、メインディッシュはカタクチイワシです。

単に体重と食べるものだけで健康管理はできませんが、ペンギンの健康管理の上で体重の変動は重要な指標になっています。

ペンギンの健康管理には神経質なくせに、自身の管理に甘いのは・・・ 問題ですね!

フンボルトペンギンたちの給餌フンボルトペンギンたちの給餌

ペンギン・アザラシ

RSS