2013年01月01日
トリーター:伊藤

生物との共存の道


あけましておめでとうございます。
今年はヘビ年、私の年ということで、新年 1回目の日誌を仰せつかりました。
普通ならここでヘビの展示について・・・ となるのですが、すでに他の方からの紹介や、メルマガがありますので、違うお話にします。

私ごとで恐縮ですが、年末に大学時代の恩師にお会いした時に、私たち生物に関わる者にとって、大変感銘を受けた言葉をもらいました。
言葉、というには長いのですが、要約して記します。

稲作伝来後の日本の自然は、明治時代を境に、人との共存の仕組みが急速に乱れ、現在に至っています。
しかし同様の事柄は、大きな変化(産業革命など)を経た欧米諸国においても程度の差こそあれ、起こったことです。
そうした中には、変化前と同じとはいえないまでも、再び生物との共存が実現した地域もあります。それと比べると、日本はまだ「変化」から年月が浅く、生物との共存の道筋ができるには、あと数百年はかかるかも知れません。
私たちはその時に備えて、共存再生のための「種(たね)」を残すことです。


上の言葉を受け取るにあたっては、いくつかの考えの前提があり、人によって感じ方も様々でしょうが、世に多く出回る幻想がない点で、私と同様に
「生物と人の未来のためにどうにか力になりたい」
と感じている方にとって、霧の晴れる言葉ではないでしょうか。

かたい内容の日誌から入り恐縮ですが、これから成長していく子供たち、学生さんには、「種」とは何なのか考えていただけるよう、水族館の学芸員として勤めていきたいです。

[写真の説明]
写真だけでもヘビをいくつか。

アオダイショウアオダイショウジムグリジムグリヤマカガシヤマカガシ

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