2013年01月07日
トリーター:根本

赤ちゃんが育っているよ~


新年早々生まれたボタンエビの赤ちゃん、育っております!

昨年 12月に沼津市にある戸田(へだ)の漁師さんの深海底引き網漁船に乗せていただき採集したボタンエビ、収容した際にお腹に卵を抱いていたのを確認していましたが、それが先日ふ化しました。
詳しくは 1月 7日の杉村さんの日誌をご覧くださいね。

エビはおめでたいものしかエントリーされない“お節”の中では『長寿』の象徴!
その赤ちゃんが生まれるとは、今年は縁起が良いですよ!
いつも生物の入手や飼育管理であしたが見えない深海チーム・・・ 、守護神の誕生です!大切にしなければなりません!!

先日、杉村さんの日誌で「成長が遅い」と紹介しているボタンエビですが、生まれてしばらくはさすがに成長速度が早いですね!
水槽の中ですでに脱皮が始まりました。
エビなどは卵から生まれて数時間ほどで最初の脱皮をするものもいます。
生物の赤ちゃんは他の生物にしたら恰好の餌でしょうから、そんな弱い時期を駆け足で過ぎ去ろうとしているのでしょうかね。
これを見た杉村さんも
「一回り大きくなった!!」
と喜んでいました。

今回は日中展示水槽で生まれたのを発見し「このままでは共食いをするかもしれない!」と急いですべての赤ちゃんを拾い集めています。
展示水槽にも 10個体程度みなさんに見ていただきたく展示していますが、ほとんどはバックヤードに作った水槽に収容しています。
水槽を私が作っている間、ひたすら杉村さんが稚エビを拾い、その数を数えていました。
その数約 200匹!
苦労して拾った杉村さんにとっては、エビの成長はわが子の成長のように嬉しいのかもしれません。
ちなみに、杉村さんの日誌にあるようにこの約 200匹の赤ちゃんたちは、現在は全部オスですよ!

ボタンエビの親は普段は置き物のようにほとんど動きしません。
その子どももほとんど動きません。
ジッと動かず、どこか遠くの方を見つめています。

いくら成長が早いとはいえ、これでは大きくなる前に簡単に餌にされそうな気がしますが・・・ 、どうなのでしょう?
動かない方が深海では目立たないのか??
もしや無駄なエネルギーを使わず成長に全てを注いでいるためなのか???

ボタンエビは漁獲圧に弱い種として知られ、多く獲るとその個体数は長い間復活できないといわれています。
その理由がこのような生態に何か関係があるのかもしれませんね。
飼育していればいろいろ見えてくることもあるかもしれません。

現在体長約 1cm。成長が楽しみです!

関連日誌
2013/ 01/ 07 赤ちゃんが生まれたよ~!!

稚エビ稚エビ脱皮殻脱皮殻

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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