2013年05月16日
トリーター:伊藤

すくすく育てよ、ホトケドジョウ!


4月より開催中の「未来に残したい、鎌倉の生物遺産」でおめでたいニュースです。

北里大学アクアラボプロデュース水槽で展示していたホトケドジョウが産卵し、ここのところ、ぞくぞくと稚魚が出てきているのです。

ホトケドジョウは、一般に自然繁殖が難しいドジョウ類の中では、飼育下で殖えやすい種です。
大学時代には、後輩がホトケドジョウの発生を研究するということで、みんなでホトケドジョウ採集に行ったりもしました。
しかし、殖えてほしいときに殖えないのが、飼育研究の常です。
今回は、植物を水槽に入れていたこと、水槽が窓際にあり、自然の日長の影響を受けたことがプラスに働いたようです。

育て始めてまだ数日ですが、海水魚に比べて、とても飼いやすいです。
生まれた時点で結構大きくて、クラゲ餌用の生きたプランクトンをいきなり食べられますし、体も頑丈で、網でそっとすくっても大丈夫でした。

今回産卵したホトケドジョウは看板に偽りなし、鎌倉市内に生息するものです。
以前、他の生物の調査時に、偶然私が見つけた場所で、今回、学生たちを連れだって、少しだけ展示用に採集させてもらいました。
神奈川県南部は人口密度が高く、自然の消失が著しい地域ですので、この地域に生き残るホトケドジョウは大変貴重だと言えます。

次世代に繋げられるよう、大事に見ていきたいと思います。
まだ展示内でも生まれるかもしれません。
濾過装置に吸い込まれる前に救出してしまうので、見られたらラッキーですよ。

当館生まれのホトケドジョウの稚魚 当館生まれのホトケドジョウの稚魚

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