2013年06月22日
トリーター:今井

“イシモチ”が旬!


本日より「旬の水槽」にて“イシモチ”を展示しています。

正確には、俗に“イシモチ”と呼ばれる魚たちで、「シログチ」と「ニベ」です。
魚類の頭には、バランス感覚に関わる“耳石(じせき)”というカルシウムの粒があって、輪切りにすると樹木のように年輪や日輪が見えます。
魚が好物な方ですと頭の部分の肉まで食べたりしますが、“イシモチ”の場合は石(耳石)が大きくて(あるいは硬くて)口に残るので、この仲間を“石持ち”と呼ぶようになりました。
「昔の人は、魚を丁寧に食べていたんだな~」と、伝わってくる素敵な名前ですね!

さて、シログチやニベはどちらも砂泥底にすみ、ゴカイ類やエビ・カニ類などの小動物を食べています。夏になると砂浜や河口からの投げ釣りで 25~ 30㎝の個体が釣れますが、成長すると 40㎝以上になります。
釣り上げると「グーグー」と浮袋を振動させて鳴くために、このグループの魚名には“愚痴(ぐち)”と付くものも多いです。

「シログチ」は近縁種に比べて体表(あるいは身)、または口内が白いためにシログチ(白愚痴)と呼ばれます。
一方「ニベ」は、昔は鰾(ひょう=うきぶくろ)を煮て膠(にかわ=接着などに使う不純物の多いゼラチン)を作ったところから、煮(に)鰾(ひょう転じてへ)ニへ→ニベとなったといわれ、「ニベもない」(べたべたしない → 愛想が無い)という慣用句もあります。

“イシモチ”として、よく名の知られた魚ですが、泳ぐ姿を見る機会はほとんど無いかと思います。ぜひ、見に来てくださいね!

上/シログチ 下/ニベ上/シログチ 下/ニベ

相模湾ゾーン

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