2013年07月27日
トリーター:岩崎

ミズクラゲを確保せよ!

クラゲファンタジーホールのミズクラゲクラゲファンタジーホールのミズクラゲ

ミズクラゲがいない!

この夏開催中の「クラゲファンタジーワールドin新江ノ島水族館 2013」に向けた準備が進む 6月下旬。
“えのすい”ではミズクラゲが少なくなってしまい密かにピンチを迎えていたのでした。

今度の採集でたくさん獲ってきてくれよ!

クラゲ担当からのオーダーは 250~ 300個体。
託されたのは深海担当の根本トリーターとクラゲ採集初めての私。
クラゲ素人コンビでした。
東京海洋大学の調査船に乗せていただき採集現場に向かう。
大丈夫かな?
一抹の不安をかかえながら・・・。

実は梅雨入り前に沿岸でたくさん見られたミズクラゲが、梅雨入りしたとたん急に姿を消してしまい、前回同じ調査船の採集ではその姿をほとんど見ることができなかったのでした。
案の定、海上に目をこらして探してみるものの、進めど進めどミズクラゲの姿は見えない。

今回もだめかな。
でもこのまま手ぶらでは帰れないな。
帰りにあそこと、あそこに寄ってみようかな。

半ば諦めムードであれこれ考えていたその時。

いたぞ!

それまでの海況が嘘のように海上一面ミズクラゲが現れたのでした。
その生息密度は船の取水口にクラゲが詰まってしまうほど。
学生さんや研究者の方と一緒に夢中でクラゲをすくって船上の水槽に入れていく。
あっという間に水槽いっぱいになってしまいました。

さあたくさん確保できましたが今度は生かして水族館に持ち帰ることが大変です。
梅雨とはいえ水温の上昇と水槽内の過密で酸欠になってしまうことも。
船の上では可能なかぎり水を換え、かさに入った空気を抜く。
クラゲのかさに入った空気を抜いておかないとそこから孔があいてしまうのです。

港に着岸してからは乗船していたみなさんにも協力していただき、研究用以外のミズクラゲを海水を満たしたトラックの輸送タンクに急いで収容。
孔があいてしまうので魚のようにポンプで空気は入れられません。
渋滞を回避して最短ルートで水族館に急行。

どうかな?
おそるおそる輸送タンクの蓋を開けると元気に拍動しているミズクラゲの姿が。
やった!よかった!

館で帰りを待っていたスタッフ総出で水槽に収容しました。
その数 350個体。
目標達成です。

採集にご協力いただきましたみなさんありがとうございました。
そして驚異的なミズクラゲの生命力に感謝。

こうして無事搬入することができたミズクラゲは、クラゲファンタジーホールの展示水槽でご覧いただける他、タッチプールでは期間限定で触ることもできます。
この夏“えのすい”でミズクラゲの美しさと指先から伝わる生命力を感じてみてください。

クラゲファンタジーホール

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