2013年09月28日
トリーター:岩崎

今週のおすすめ

ヒョウモンダコヒョウモンダコ

今週のおすすめは「ついに現れました!ヒョウモンダコ」

北里大学生命科学部の学生さんが江の島での磯観察の際に偶然捕獲したヒョウモンダコ。

「もしかしてこれがヒョウモンダコですか?」
「足元を泳いでいたので網ですくいました!」
「こんな身近にいるなんてびっくりです。」

興奮すると瑠璃色に浮かびあがるの腕のリング模様と頭部の筋模様。
この特徴はまぎれもなくヒョウモンダコ。

寿命が 1年ほどのヒョウモンダコは、夏前に繁殖期を迎えて次の世代に命を繋ぐ生態で、真夏の間は幼生から幼体で過ごすため目撃例が少なく、秋になると次の世代が成長して発見される機会が多くなるようなのです。
暖かい海に生息するヒョウモンダコにとって、相模湾は分布域の一番北側にあたります。
9月に入りそろそろかな?と思っていたところにやはり現れました。

学生さんから譲り受けたヒョウモンダコは相模湾キッズ水槽で公開中です。

ヒョウモンダコは小さくてかわいいタコなですが、唾液に強い毒がありますので手のひらに乗せたりしてと咬まれると大変危険です。
なぎさの体験学習館では、今年の 6月に茅ヶ崎で捕獲されて話題になったヒョウモンダコを標本展示していますので、合わせてこの機会に特徴を覚えてください。
タコから襲いかかって来ることはまずありませんので、海で見かけた際には絶対に手を触れずにそっとしておいてあげてください!

もう一つのおすすめは「がんばっています!ソウシハギ」

サンゴ水槽でソウシハギががんばっています。

がんばってるって何を!?

水槽の中で勝手に大繁殖してしまったイソギンチャクをソウシハギの幼魚がせっせと食べてくれているのです。
今回のイソギンチャクはかなり手強い種類で、他の水槽ではイソギンチャク掃除で大活躍しているカゴカキダイですら口にしないほど。
ソウシハギもこのイソギンチャクに刺されているようなのですが、口を腫らしながらもせっせ食べてくれています。
なんてけなげな働き者!と思っていたところ最近は展示しているサンゴもつついて食べているようなのです。
ソウシハギの口と食べられてしまうサンゴの状態によっては他の水槽にお引越しの可能性はありますが、サンゴ水槽でこのままがんばってほしいと願っています。

南方系の魚のソウシハギは、昨年関東地方や日本海側、北海道でも目撃されて話題になりましたが、今年はまだあまり見られていないようです。
ソウシハギはイソギンチャクやサンゴの仲間を食べる食性があり、食べ物由来の猛毒を体内に蓄える性質があります。
大きな尾鰭、体中の黒点と青い筋模様。
相模湾では海水温が高いこの季節が目撃されやすいシーズンなので、この機会に特徴を覚えていただき、釣りなどで捕獲した際には絶対に食べないようにしてください!

今週のおすすめのヒョウモンダコとソウシハギ。
猛毒の持ち主ですがとってもユニークな生き物です。
“えのすい”でぜひご覧になってください。

相模湾ゾーン

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