2013年12月08日
トリーター:加登岡

熱交換

前回に引き続きほんとに寒くなってきました。
ですが、日が出ていると少し暖かいので、午前中だけシーガル(半袖長ズボンのウェットスーツ)で頑張っているトリーターもいます。
もう気温よりプールの水温の方が暖かいです。

イルカショースタジアムの海水は現在 20℃くらいの温度です。
外気温は 15℃を切っているので、海水も本来なら同じくらい温度が下がっていてもおかしくありません。ですが、海水を温める設備があるので、冬でも 20℃前後に保つことができます。さすがに15℃でシーガルを着て水中には入れません。

海水を温めるために、プレート式熱交換器という装置を使っています。
これはチタンプレートを何枚も組み合わせ、この間を海水と熱媒体が隣り合わせで通過するものです。この時、熱媒体の熱がプレートを伝わって海水に移り、水の温度が上昇するという仕組みです。この装置を使うことで年中動物にとって過ごしやすい環境をつくることができます。

実は、イルカたちの体にも同じような熱交換おこなう仕組みがあります。
それがひれの動脈周囲静脈網と呼ばれる血管の構造です。これは暖かい血が流れる動脈の周りを冷たい血液が流れる静脈網が囲っているという構造です。
この構造により、温められた動脈血が冷やされ、一方で冷たい静脈血が動脈血により暖められるのです。
水中という熱を奪われやすい環境に生息するイルカたちは体内で発生した熱をうまく利用することで、熱の放散を効率よくしています。

また、熱の話になってしまいました。
僕はよっぽど暖かいものを求めているのかもしれません(笑)。
イルカたちのような熱交換の仕組みは僕にはないので、今年もフルスーツ(長袖長ズボンのウェットスーツ)を着て寒い冬を越えます。

イルカショースタジアム

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