2014年02月23日
トリーター:唐亀

キノボリウオの仲間たち

チョコレートグラミーチョコレートグラミー

2月も残すところ一週間となりました。一年なんてあっという間なんでしょうね。
ところで 2月のテーマ水槽では、バレンタイン絡みから「チョコレートグラミーとキッシンググラミーの仲間たち」をご紹介しております。
熱帯魚を飼育していないみなさんには、「グラミー」といわれてもピンとこない方がほとんどかと思います。しかし、コップやこじゃれた瓶に入って売られているベタはご存知な方も多いと思います。
また、姿は知らなくても「キノボリウオ」という名前は聞いたことがあるでしょう。
そうです、グラミーの仲間は、ベタなどを含む「キノボリウオ科」の魚たちなのです。
ぜひもう一度飼育して見たかった魚「キノボリウオ」。

キノボリウオは残念ながら期間中に入手が叶いませんでした。
私が中学生のころは 3cm位の幼魚がよく売られていました。
派手な模様も無い灰色に黒点が入った地味な魚でしたが、愛嬌のある顔としぐさ、ネームバリューに魅かれて飼育したものです。
大きくなるにつれ他の魚を攻撃したりするようになりましたが、なんだかんだで 10年以上我が家でくらしておりました。
地味と書きましたが、大きくなると色みが出ます。
2尾いたのですが、片方はうっすらとエメラルドグリーンが発色しましたが、もう片方は腹の方が黄色みを帯びていました。
「キノボリウオは木に登らない」
もうこれは常識的ですが、地表は移動できます。
その能力はトビハゼの方が格段に上なのですが、水槽掃除の際に、飛び出したキノボリウオが移動しているところを目撃したことがあります。

その移動方法は・・・

まず、胸びれで体を支えます。
トビハゼのようなつくりではないため、ヒレを束ねるようにして支えにしていました。
次に鰓ブタを直角に開きます。彼らの鰓ブタは中央付近に蝶番があり、直角に開くことが可能なのです。
鰓ブタの下部には鋭いトゲが並んでいて、これを地面に引っかけ鰓ブタを戻すと少し進むことができます。
これに尾びれを使うことで結構な速さで移動することができるのです。
この仲間は東南アジアやアフリカに生息していますが、止水で低溶存酸素の環境に適応して、補助呼吸器官を鰓に持つようになりました。これが迷路のようになっているため「迷宮器官」と名付けられ、そこからキノボリウオ科の魚たちを「ラビリンスフイッシュ」と呼んでいます。
実は、ライギョなどの仲間もこのキノボリウオの近縁なのです。

今回のテーマ水槽ではチョコレートグラミーが主役級でした。
体長 5cmに満たない小鳥のようなかわいらしいこの魚。実は来月への伏線でもあるのです。
来月は 6人の男性トリーターが1水槽担当します。
その一つに、今月あえて登場させなかった魚が登場する予定です。
学名にゴラミーを持つ真の「グラミー」。
でも、私のプロデュースではないのであまりネタバレはよくないですね。

テーマ水槽

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