2014年04月20日
トリーター:倉形

雨を降らす生き物!?

アメフラシアメフラシ

きょうは暦の二十四節気の「穀雨」で、この時季穀物の成長を助ける雨のことを意味しています。
そんな雨に因んだ名前を持つ生き物が、当館のタッチプールにいます。
それは、「アメフラシ」です。

アメフラシは、海産の軟体動物で外見上は貝殻は退化していますが、背中の外套膜(見た目ヒラヒラした部分)の内部に変形した板状の殻があります。
アメフラシの名前の由来は諸説ありますが、アメフラシが海水中で紫色の液を出すとそれが雨雲がたちこめた状態になるからという説があります。
確かに私も幼いころ、潮だまりにいるアメフラシに刺激を与えたところ、紫色の液が出て来て雨雲(煙幕)状態になったのを見て不思議な生き物だと思ったことを覚えています。
この液は、外敵に襲われた時に煙幕になり、また液が外敵にとって不快なもので、それ以上襲われなくなるのではないか?と考えられています。
この液の色は、餌となる海藻に由来するといわれています。

アメフラシは、この時季(春から夏にかけて)繁殖のため数多く磯場に現れます。
1匹が産卵する卵は数万個で、黄色く細長い麺のような卵塊状になり「海素麺」と呼ばれます。
卵はおよそ 2週間で孵化します。
当館のタッチプールでも産卵しているのをきのう確認しました。
ただ、水槽はアメフラシだけを飼育しているのでは無い為、他の生き物たちの恰好の餌となってしまうこともあるので、みなさんがお越しの際にご覧いただけない場合があります。
でも、「海素麺」を実際にご覧になったら・・・
なるほどとうなずけるはずです!!

タッチプール

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