2014年04月27日
トリーター:冨永

小さな輝くいのち

生まれたばかりのカタクチイワシ生まれたばかりのカタクチイワシ

暖かな陽気がつづき海岸は日差しもまぶしく、少しずつ夏の気配を感じるようになってきました。
海水の温度も日に日に高くなり季節の変化を教えてくれます。

さて、4月 16日からスタートしたシラスの展示。みなさんはもうご覧になりましたか?
みなさんがよく食べるシラス。実は、その多くは“カタクチイワシ”というイワシの子どもです。
“イワシ”と聞くと、相模湾大水槽のイワシを思い浮かべる方も多いかと思いますが、大水槽のイワシは“マイワシ”という種類です。マイワシの子どももシラスと呼ばれるのですが、あまり一般的ではありません。なぜならマイワシの子どもが獲れる時期が長くないからです。
マイワシとカタクチイワシでは産卵期間に違いがあり、マイワシは、一般的に 2~ 5月頃が産卵期とされています。一方、カタクチイワシは春から秋と非常に長い間産卵をすることができます。ですから、みなさんがよく見たり、食べたりするシラスはカタクチイワシが多いのです。

シラス展示は 2つの水槽でおこなっていますが、大型の水槽で泳ぐシラスは、みなさんが思い浮かべるシラスの姿とはちょっと違うのではないかと思います。
そこにいるのは、“カエリ”とか“カエリシラス”と呼ばれる成長時期のカタクチイワシの子どもたちです。
透明だったシラスの体も成長とともに黒い色素がでてきます。そして、体全体が鱗で覆われるようになると、よりイワシらしい体つきになっていきます。
現在展示しているカエリは昨年の 9月に当館の水槽で産まれた卵を育てて大きくしたものです。
小さな丸窓の水槽で展示しているのが、生まれたばかりの仔魚です。
とてもとても小さな仔魚はまだじょうずに泳ぐこともできません。2~ 3日すると少しずつ泳ぎだし、キラキラと光る体がとてもきれいです!
現在、展示している仔魚たちはきょうで 3日目。泳ぎだしている個体も多くいますよ。

みなさんぜひ、小さくて輝く命を見にきてください。身近なシラスのイメージがまた少し変わるかも知れません!

相模湾ゾーン

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