2014年05月05日
トリーター:伊藤

珍種満載! こどもたち

ヘテロティスヘテロティス

GWいかがお過ごしでしょうか?
本日はこどもの日ですね。普段だとGW最後の日なので、夕方には遊び疲れ、ゆううつになったものですが、今年はあしたも休みです!

さて、5月のテーマ水槽では、生きものたちの「こども」に焦点を当ててお送りしています。
常設展示とは一味違う、通好みの種をセレクトしました。いくつか紹介します。

ヘテロティス
かの巨大魚ピラルクーに近縁の古代魚なのですが、その顔はほとんどコイそのものです。口を常にパクパクさせながら、砂ごと餌をバフバフ吸い込む動きもまさにコイ。吸い込み針の仕掛けで釣れちゃいそうです。下半身はヒレが長く、動きも滑らかなので、本家以上に鯉のぼりらしい出で立ちです。

グラスゴビー & ドラキュラフィッシュ

当館のシラス展示はふ化直後と大きくなったカエリがメインで、現時点では「食べごろサイズ」のシラスの常設展示に成功していません。そこでシラス担当としては、見た目がとことんシラスっぽい生物を探し出して、見ていただくことにしました。魚に詳しい方からすれば、ヒレの付き方、顔つきと、どこがシラスか!といわれるでしょう。ごもっとも。あくまで雰囲気です。どちらの種も水族館や熱帯魚屋さんで見る機会が少ない珍種ですので、シラスの代用として雰囲気を楽しんでいただいた後は、透き通った体の隅々まで観察してみてください。

ドブガイモドキ
私の一押しです。
日本に 6人くらいはいる?「淡水二枚貝ファン」必見の超珍種です。
日本では 2006年に石垣島で初めて記録されてから、その生態がほとんど謎のベールに包まれていました。
先日、東海大学の先生にお誘い頂き、石垣島で一緒に調査させて頂く機会を得ました。
展示しているものはその時採集したものです。黒々とした成貝に加えて、オリーブ色をした幼貝も展示しています。これらの生きた展示は、地味に世界初でしょう。
本種もその他の淡水二枚貝(イシガイ類)の例にもれず、幼生は魚の寄生虫なのですが、いつ、だれに寄生し、どのように育つのか全く不明でした。調査を通じて、本種の幼生の寄生相手として相性の良い魚種をいくつか知ることができました。その一つが前回の日誌で紹介したグッピーです。外来種であるどころか、アジア産の魚ですらありません。在来魚のいくつかも寄生相手となり得ますが、現在の石垣島では明らかに、グッピーに寄生して繁殖している感じです。もしかするとグッピーに寄生した幼生が人の手によって運ばれ、分布を広げたりしたのかも?と妄想までしてしまいます。
他にもいろいろ展示していますので、ぜひご覧ください。

テーマ水槽

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