2015年08月09日
トリーター:笠川

隣の人??をパックんちょ!!?

オワンクラゲオワンクラゲ

今年も夏休み自由研究シーズンがやってきましたね。
いろいろな見方で水族館を見てみると、ネタはたくさん転がっているものですよ。
何かひとつの事柄に注目して、徹底的に観察したり、調べたりするのも面白いかと思います。
例えば、生き物の口。大変面白い、興味深いものです。口や歯などをよく観察すると、そこから何を食べているのかなどもわかってきたりします。

私が担当するクラゲにも、ちゃ~んと口はあります。歯はありませんが。
クラゲの口は、ちょうど傘の内側の真ん中あたりにあります。
なかにはちょいと変わったものもいます。なんと、口がひとつではなく、小さな口がたくさんあるクラゲです。タコクラゲやビゼンクラゲなど、根口クラゲの仲間になります。字のごとく、根っこの口です。

そして、クラゲの中でも特に口が大きなものが、オワンクラゲです。このオワンクラゲ、普段の口は、巾着を閉じたようにしぼまっています。それがいざ、食事が始まると、カバっと開きます。傘の半分くらい近くまで広がります。
私たちの顔で想像すると、顔半分が口です。なんとも恐ろしい。口裂け女ですね。

そんなオワンクラゲ、実はクラゲを食べるクラゲです。餌には、細かく刻んだミズクラゲを与えています。水中にクラゲ片がまかれると、すぐさま察知し、ガバっと開きます。匂いなのかなんなのかはわかりませんが、すごくいい反応をします。
さらに恐るべきは、なんとこのオワンクラゲ、隣の人?をパクリとやってしまいます!? つまり、共食いが起こりうるということです。
朝きてみて、驚いたことがあります。パックんちょとかじられて、まるで、パックマンのようになってしまっているオワンクラゲが数匹・・・犯人は、無傷のお前かぁぁぁぁ・・・餌が行き届いていないと、オワンクラゲは隣の人?を食べてしまうんですね。

こんな風に、クラゲの口だけに注目しても、面白い事実がいろいろと出てきます。これってどういうこと? 何だろう? 何でだろう? と思ったときがチャンスです。ぜひ、じっくり観察してみたり、調べてみたりしてみてください。

皇室ご一家の生物学ご研究

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