2016年08月15日
トリーター:戸倉

魚たちの健康のために・・

水質測定(溶存酸素量測定中:相模湾大水槽)水質測定(溶存酸素量測定中:相模湾大水槽)

魚たちが健康に暮らせるために、えのすいトリーターはさまざまなことをします。
きょうはその一部をご紹介しましょう。

まずは、水質測定です。
これは魚たちが泳ぐ水が適正値を保っているかを測定し確認するためのものです。
飼育する魚の種類が違えば好みの水質も違いますので、水槽ごとに確認をする必要があり測定する項目も違ってきますが、おおまかに言うと、「水温」「PH:水素イオン濃度」「塩分濃度」「溶存酸素濃度」などです。
ちなみに、
・水素イオン濃度と言うのは、簡単に言うとアルカリ性か酸性かを調べるもので、魚種によっては少々どちらかに傾いている方が良い場合があります。
・溶存酸素濃度というのは、読んで字の如く、水の中に溶け込んでいる酸素の量で、値が低くなると・・いわゆる“酸欠状態”となってしまいます。
ただ毎日全ての項目を測定している訳では無く、急激に変化する可能性が低い「塩分濃度」は、水槽によって測定する曜日を決めています。
また、
バックヤードツアーなどに参加されたことのある方は見たと思いますが、そのバックヤードは狭いです。これはお客さまが水槽をご覧になる「観覧スペース」と「水槽の大きさ」を優先的に確保するために仕方のないことなのです。


頭をかがめながらの水質測定(水温とPHを測定中:沿岸水槽)

水槽の周りには、配管・配線、それらを支えるための金具類などがありますので、頭をぶつけないように目立つシールなどを貼っています。 まあ、それでもぶつける時はぶつけますが・・・


魚たちの“お食事BOX”は、まるで海鮮盛り

続いて、魚たちへの給餌ですが、
きょうは“餌あり日”でした。どういうことかというと、海にいる魚たちも毎日安定して食事にありつけているとは限らず、食べる量には「バラつき」があると思います。そこで水族館の魚たちにも多く食べる日と、そうでない日を意図的に(健康のために)作っています。魚種にもよりますが、多く食べる日は曜日でいうと「月」「水」「金」です。この曜日の朝は、調餌室が大変でマグロやイカなどを大小さまざまな大きさに切ったり、ミンチを作ったり、各エリア別に“お食事BOX”を準備します。(ちなみに、それ以外の日は“餌無し日”)


水槽のフタを開けて食事の時間です。

普段は、飛び出し防止や、保冷・保温のために水槽上部には“フタ”をしていますが、このフタをずらすと「食事の時間だ!」と理解している魚もいて、水面近くにあがって来ることがあります。水族館の開館直後にはこの“お食事BOX”を持っているトリーターがまだ館内にいるかもしれませんので、こっそり後を付いて行ってみてください。水槽越しにお食事の風景が観られるかも・・  運がよければ「今上陛下のご研究」のコーナーや「テーマ水槽」では、直接食事を与えている姿が見学できるかもしれませんよ! その時はぜひトリーターに話し掛けてね!!

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