2017年11月03日
トリーター:北田

貴重なブルージェリーのポリプ

前回の 2017/10/21 不老不死ベニクラゲ が好評だったので、またポリプの話をしようと思います。
研究発表のページ でObtaining polyps of Color jelly(Catostylus mosaicus)という発表内容が出ておりますので今回はブルージェリーについてです。

ブルージェリーは流通量も多く、展示を行っている園館もかなりあります。20年ほど前から輸入されていたようですから、相当な数を飼育したことになります。しかし、その生活史はこれまでほとんど分かっておらず、「ポリプを確認した」「繁殖に成功した」という話もほんの数件しかありません。
では、今回どんな発表をしたのかと言いますと、一番は輸送方法の工夫により、輸送水からプラヌラを獲得したということ、そしてプラヌラからクラゲまで育てたということです。

獲得したブルージェリーのプラヌラ。大きさは 0.1mmほど

プラヌラがないと次に進めませんからね↓

触手 2本のポリプ

触手 4本のポリプ

触手 8本のポリプ。

触手 16本のポリプとその後ろにポッドシスト。ここまでくればかなり安心。

プラヌラからポリプまでのようすは他のクラゲとさほど変わりはありませんが、プラヌラから最初のポリプまではちゃんと面倒をみてあげないと消滅してしまいます。でも見れば見るほど、ポリプがどんどんかわいくなります。

さて、最初にお話した輸送方法の工夫ですが・・・

ただクラゲを一つの袋に詰めて送っただけのことなのです。梱包するクラゲの数、輸送時間、水質などまだまだ改善すべき点がいくつかありますが、袋の中で受精し、この箱を受け取った時にはプラヌラが見られました。この方法は年中成功するのか、季節的なものがあるのかなど引き続き調査中です。

ブルージェリーのストロビラ。1つのポリプからエフィラは複数でるタイプです。

エフィラは青くありません。
この続きはぜひ“えのすい”で観察してみてください。

クラゲサイエンス

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