2018年02月22日
トリーター:加登岡

小道具

カマイルカ「セブン」カマイルカ「セブン」

水族館の道具は外部の業者に制作をお願いする場合もありますが、飼育員が自分で作製することが多いです。
今回私も簡単な小道具を作成しました。
何かというとイルカの体長を測るための道具です。現在「セブン」の体長測定するトレーニングをしています。

当館でイルカの体長を測るときは陸場に上がって来てもらい、床に吻先と尾びれの二か所の部分の印を付けて、その 2点の長さを計測しています。
しかし、「セブン」を飼育しているプールには陸場が少なく、この方法が取れません。
他にもこういった理由で体長が測れない個体は、水面でお腹を上にした状態で浮かんでもらい、メジャーを這わせるようにしています。

「セブン」もこの方法で何度か測定はできていたのですが、メジャーが怖くてなかなかうまく測れませんでした。
メジャーにならすトレーニングを同時にしつつ別の方法も検討しました。
それが今回作成した道具です。
まず最初に作ったのは竹の棒に白い四角のブロックを付けた物です。


この白い部分に吻先を付けるようにトレーニングし、姿勢が真っ直ぐになるように誘導します。

そして次に作ったのは塩ビのパイプ 2本にメジャーを巻き付けた物です。


これにも白いブロックを付けておき、一本は吻先に、もう一本は尾びれに当てて、そのままメジャーで測定しました。メジャーの長さの調整は一方の塩ビをくるくる回して巻き付けて調整していました。しかし、柔らかいメジャーを使ったので、たるんでしまい、巻き付けてもずれてしました。大失敗でした。


そこで改良です。今度は金属製のメジャーを使用しました。また自動で巻き取ることもできるようになっているのでたるむこともなく使用できます。これで測定の精度があがります。
あとは「セブン」がこの道具に驚かないようにすることです。



実際に使用してみると「セブン」もメジャーをお腹に這わせるよりもこっちの方が落ち着いてくれています。あとは回数を重ねてもっとならすだけです。
不定期にトレーニングをしていますが、タイミングが合えばみなさんにも見てもらえるかもしれません。

イルカショースタジアム

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