2018年04月28日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 その 4 カサゴ

カサゴカサゴ

カサゴ (Sebastiscus marmoratus)は北海道南部以南から東シナ海にかけての岩礁や堤防の周り、護岸の波消しブロックの間などの水深 5~ 120mあたりに生息しています。
相模湾でも普通に見られ、大きな口で小魚やエビ、カニなどの甲殻類を丸呑みにして食べて、最大 35cmくらいにまで成長します。

目の前に餌を落とすと簡単に釣れることから、小さなカサゴは初心者の釣り物としても人気があります。
「ガツッ」と強い当たりで針に喰らいつき、しっかりとファイトする魚なので、小さくても釣り応えを十分楽しめます。
背ビレのトゲがたいへん鋭いので、針を外す時には注意が必要です。
小さなカサゴは、丸ごとから揚げにすると、歯ごたえや香ばしさを楽しめます。

魚も成長すると経験値が上がり知恵がつきます。
どんな魚も大物になると釣ることが難しくなるので、老成した 30cm以上のカサゴにはなかなかお目にかかることはできません。
大物は刺身や塩焼き、煮付けなどでおいしくいただける他、あらはスープにすると良いだしが出ます。
小型のカサゴも良い出汁が出るので、丸ごと味噌汁にしたり、地域によっては、鯛めしを炊く時にわざわざカサゴのだし汁を使ったりするほどです。

意外と知られていないのですが、カサゴは卵ではなく仔魚を産む胎生の魚で、仔魚の餌が豊富になるに早春にかけて出産シーズンを迎えます。

カサゴは周りの岩とそっくりな色や形をしているので、ダイビングでは岩陰や海藻の間などをよく探さないと見逃してしまう魚です。
ダイビングショー「フィンズ」で時々リクエストをいただくのですが、「カサゴ」と聞くとMCもダイバーも一瞬「どきっ!」としてしまいます。
「“ヒレがゴージャスできれいな”カサゴですよね?」
「“ミノ”カサゴ・・・ですか?」
「“ミノ”カサゴ・・・でよろしいでしょうか?」
派手で見つけやすいミノカサゴへと必死にリクエストを誘導。
それでもやっぱり「カサゴを見たい!」となると大捜索が始まります。
関係ない時は見えるのですが、いざ探すとなるとなかなか見つかりません。
相模湾大水槽のカサゴは神出鬼没。
見つかる確率は良くて 50%くらいといったところでしょうか。
相模湾大水槽で見つからなかったらごめんなさい。
手前の漁港水槽にも展示していますので、そちらでご覧ください。

春が旬 見かけは地味で おいしいカサゴ。
ごつごつしていますが、正面から見るとなかなか愛嬌があってかわいい顔の魚です。

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