2009年04月11日

伊豆 小笠原弧・北マリアナ諸島沖(5)4月11日(土) 快晴 うねりあり
八丈島・明神海丘「はじめての航海」 / 北嶋

  • 期間:2009年4月9日~2009年4月21日
  • 場所:伊豆・小笠原弧 明神海丘と北マリアナ諸島海域 日光海山
  • 目的:深海生物調査
  • 担当:根本 ・ 北嶋


きのうの夕方、八丈島の漁港より連絡船に乗って、ついになつしまに無事乗り込みました。
予定通り八丈島で乗船できたのは、すごい幸運がついてるのかもしれません。なぜなら、過去数回同じ時期にこの八丈乗船予定の航海がおこなわれてるのにも関わらず、海況が荒れたりして実際に八丈で乗れたのは初めてだからです。
前回の戸田トロールの時といい、自分は晴れ女かな?!なんて自惚れそうになってしまいます。

しかし、南下するにしたがって海は荒れてきました。
ちょうど青ヶ島あたりから黒潮をよこぎります。波が激しくなってきたのもそれからです。

もちろん酔いました。


そして、きょう。朝8時過ぎ。
いつのまにか、なつしまは目的の明神海丘に着いていました。
天気は◎(にじゅうまる)。うねりは少々あるけれど、ハイパードルフィンの潜航作業開始です。

各研究者は、自分の目的の生き物やデータを手に入れるためのしかけや道具をハイパーに取り付けました。
根本トリーターもカニを狙います。
そして、クルーの方たちに慎重に吊り上げられ、ハイパー着水!
ハイパーが映し出す映像をいち早く見なきゃ!と学生さんと一緒にいそいで階段を駆け上がり、船のてっぺんにあるハイパーコントロールルームへ。
小さなコンテナの中に大きなモニターが 6つも並び、さまざまな機材が所狭しと置かれています。
前方には運航長ほかハイパーの手であるマニピュレーターを操作したりする操縦士の方たち 3名が並び、後ろは研究者が座れるようになっています。
本航海は研究者の人数が多くて、床にもぎゅうぎゅう詰めて座ってはいるような形で観察しました。

ハイパーはどんどん沈んでいきます。

20分後・・・ 300m

45分後・・・ 1,000m

1時間後・・・ ようやく海底が見えてきました。
1,229m。着底です。

目的の場所にはすぐにつきました(さすがです!)。
各研究者のリクエストにこたえて操縦士の方たちが器用にハイパーを操っていきます。
船のゆれがだんだん激しくなってきました。
シアターのように暗い部屋で大きなモニターを見ながら揺れていると、まるでなにかのアトラクションを体験しているような気分です。
私はそんなのんきなことを思っていましたが、実際は、うねりがかなり激しくなってきて、きょうは午前・午後で 2潜航予定だったのですが、今引き上げると 2潜航目は中止になるくらい荒れていました。

ということで、きょうの潜航は 1潜航を長めにして、2潜航分の目的を達成しなければならなくなってしまいました。

そして成果は・・・ とりあえず目的達成です。
生き物もユノハナガニなどのサンプリングが採集できましたが、“えのすい”の目的生物は次の日光海山で得たいなと思ってます。
わたしとしての一番の収穫は、やっぱり現場を自分の目で見れたことかな。
間接的には見たことがあるけれど、想像交じりの世界とは違う印象もたくさんありました。
水槽作りのインスピレーション掻き立てられまくりです。

そんな成果もいっぱい持って帰れるように、できるだけいろんなものを見て吸収してきます。もちろんそのあとは、みなさんにかたちにしてお見せしますね!

あすからは 3日間回航です。
どうやらこのあとすごーく荒れる模様(もうすでに激しく揺れてますが)。
酔ってしまう前にはやく寝てしまいたいです。


[きょうの写真]
上/連絡船でなつしまに到着
下/ハイパーご帰還

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-05「なつしま/ハイパードルフィン」による伊豆 小笠原弧 明神海丘・北マリアナ諸島海域 日光海山 深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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