2011年06月10日

相模湾城ケ島沖相模湾城ケ島沖調査航海 / 杉村

  • 期間:2011年6月9日~2011年6月10日
  • 場所:相模湾城ケ島沖
  • 目的:ドレッジ採集による浅海域の底生生物相調査、ならびに飼育・展示
  • 担当:杉村・北嶋


新江ノ島水族館では今年度より、Japanese Association for Marine Biology(以下JAMBIO)の研究助成を受けることをきっかけとして、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(以下、東京大学三崎臨海実験所)と共同研究・調査をおこなうこととなりました。
身近にありながら、なかなか御一緒する機会がなかった歴史ある臨海実験所と仕事をできるのはとてもうれしく思います。
これから協力して、相模湾の生物の研究・教育・啓蒙活動に取り組んでいきたいと思います。

そして今回、「ドレッジ採集による浅海域の底生生物相調査、ならびに飼育・展示(JAMBIO課題No.23-59 )」に関する調査・採集を行うために、三浦半島西南端にある東京大学三崎臨海実験所所有の「臨海丸」に乗船してドレッジ採集を行ってきました。
第1回目の調査では、杉村と北嶋の2名が参加しました。
先にあげた共同研究ということで、東京大学三崎臨海実験所技術専門職員の幸塚久典氏にも参加いただきました。

ドレッジ採集と聞いても、どんな採集方法なのかピンときませんね。
器具は約 50cm× 20cmの金属枠に網が付いている小型の底曳き採集器で、深いところでは水深 800m、浅いところでは 10mくらいまでの泥場から岩場まで底曳き調査ができるという優れモノです。
 
当日は天気も良く、波も静かでまさに乗船日和。
思わず気持ちよくて居眠りしてしまいそう・・・
って、調査、調査!

はてさて、どんな生物たちに出会えるのやら。
上がってきたものは、大量の礫や砂泥です。この中から海の底で生活している生き物たちを探していくわけです。
実はこの調査、これからが本番なのです!!
我々2人のトリーター、意気揚々と礫の中から生物を探していくわけですが、この作業2日間でナント9時間!!
臨海実験所の方々にもお手伝いいただきましたが、なかなか大変な作業でした。
終わる頃にはピンセットを持つ腕がピクピク・・・ と。
時間はかかりましたが、さまざまな生物たち(カニやヤドカリの仲間、ウニの仲間など)に出会うことができました。
それも大きさはどれも 1cm程度の非常にかわいく小さな生物たちに。

只今、この生物たちの種類を調べたり、みなさんにお見せするためにちょっと工夫した水槽を制作中です。
お見せできるようになりましたら報告します。
もうしばらくお待ちください。

ドレッジ調査は今年度中に数回おこなう予定です。
次回の日誌では、採集された生物にもふれていきたいと思いますので、ぜひお楽しみに!

調査船「臨海丸」調査船「臨海丸」

串焼きのような家に棲むゴカイ串焼きのような家に棲むゴカイ

相模湾ゾーン

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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