2015年08月01日

中部沖縄トラフ調査航海(6)6日目

  • 期間:2015年7月27日~2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村


きょうの潜航はちょっと早い20時10分潜航開始でした。
本航海3箇所目の熱水サイトです。
このサイトのポイントは、ブラックスモーカー!!
ブラックスモーカーを生で見た記憶がなく、ドキドキの潜航でした。
海底を探索していると、コントロールルームのメインカメラの画像に煙が・・・
すかさずハイパードルフィン上部のサブカメラのズームなどを駆使して、辺りを探します。
すると、サブカメラにチムニーから煙が噴き出ているようすが映し出されました。
ハイパードルフィンはその場所に向かいます。ちょっと潮の流れがあるのでしょうか、なかなか思う場所には辿りつきません。
なんとか到着するとみんなでしばしの観察。
その場でゆっくり旋回してブラックスモーカーの周囲を観察です。
さながら、ヘリコプターで噴火の中継をしているかのようでした・・・
実際にはヘリコプターよりもゆっくりと滑らかにブラックスモーカーを中心に画像が展開されていきます。
その映像を皆さんにお見せできないのがとても残念です。
観察場所が決まるとチムニーを壊さないようにゆっくりと近づき、チムニーまで数cmのところにピタッと着底します。
さすが熟練のビークル操作!
ハイパーチームの腕前に圧巻です!!

チムニーの先端の噴出口をよく見ると、ただ黒い煙が噴きだしているのではなくガスバーナーのように噴出口は白く見えゴウゴウと噴き上がり、そのさきに黒い煙がモクモクと上がっていました。
チムニーの形も個性的でキノコのような形をしていて、表面は開く前の松ぼっくりを思わせます。
色もただ黒っぽいだけでなく、白い部分が混ざったりと変化が見られます、構成している鉱物によるものなのでしょう。
水温は200℃はあるでしょうか、水深1300mでは高い水圧のため100℃は沸騰することはありませんが、さすがに今回の熱水は相当に高そうでした。

そんな高温のチムニーの直ぐ下にはゴエモンコシオリエビやオハラエビが集まり、ゲンゲの仲間も見られました。

ゴエモンコシオリエビ

ゲンゲは10匹ほどが集まって、なにやら集会を開いていました。
ゴエモンコシオリエビたちがいる場所は、温度が高いわけではなくほぼ3~ 4℃です。
彼らは熱水が好きというよりは熱水に含まれる硫化水素などを求めて集まり、共生しているバクテリアに与えたり、そのバクテリアなどを食べに集まっているのです。
その他に、プレデターと呼ばれる「エゾイバラガニの仲間」がコロニーの外から時折やってきます。
徐々に熱水に近づいてきましたので、どうするのかなあと思っていると突然熱水に触れました。
その瞬間!熱水に触れた脚を慌てて引っ込めてそのまま逃げていきました(やっぱり熱かったのでしょうね)。
このようすからも熱水と周囲とはかなりの温度差があるのが分かります。

私たち深海担当の飼育係は、このように実際に観察した情報や研究者の方々の科学的なデータをミックスさせて飼育の方法を工夫をしていきます。
ちょっとしたことですが、私にとっては重要な情報になるんです。

コンテナラボでの実験風景

さあ、あしたで折り返しです。
あと半分、もっともっと最新の深海情報を可能な限りお伝えしていきますね。
それはまた、またあした。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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