えのすい航海・採集日誌http://www.enosui.com/index.htmlえのすい航海・採集日誌- 2012/03/31 石垣島(4)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00404<br />まる3日間石垣島内をうろうろして、疲れを感じるものの、気力はみなぎっています。<br />
でも、もうそろそろ本土へ帰らなくてはなりません。<br />
名残惜しい!<br />
沖縄本島や鹿児島南部と比べてもスケールの大きなマングローブや、魅力溢れる固有種の数々を目の当たりにすると、神経が刺激され、日ごろのストレスなど吹き飛んでしまいます。<br />
今回の調査の結果を踏まえ、機会があればまた訪れたいものです。<br />
<br />
陸貝の調査がメインだったとは言え、朝から晩まで色んな生物を見つけに出かけ、観察することができたので、一部を紹介しますね。<br />
<br />
タナゴモドキ発見!<br />
当館では天皇陛下のご研究コーナー「絶滅危惧種のハゼ」水槽で、国外産の個体たちを数年にわたり展示しています。<br />
石垣島では今回、実に10年ぶりに出会うことができました。前回訪れた時は全く見られず、「もしや絶滅したのか」と不安でしたが、生き延びていてくれて良かったです。<br />
淡い飴色の色彩は、派手さはないものの、やはり美しい。本種の子どもは海で育ち、時に海流で四国あたりまで流されて育つこともありますが、豊富に生息するのは台湾よりも南でしょう。<br />
石垣島の同所には大きなタイワンドジョウやティラピアといった外来種が幅を利かせていますし、同サイズのカダヤシやグッピーが住処を奪っているかも知れません。<br />
<br />
タウナギの幼魚でしょうか。<br />
石垣島のものは貴重な日本在来の個体群と判明していますので、そのうち新種になるかも知れません。<br />
一方で本州には大陸産のタウナギが外来種として定着しています。<br />
姿かたちがそっくりな在来種と外来種。これらを区別し、保護と防除を実行しなくてはなりません。<br />
種そのものは、とても魅力的なので、いつか展示で取り上げてみたいと感じました。<br />
<br />
これはサワガニの仲間です。<br />
石垣島には3種類くらい、本土とは違う種類が棲んでいるようですが、渓流部でひっそりと暮らしており、マングローブのカニ類のように数は多くありません。<br />
地味ですが南国情緒あふれる、素朴な陶器のような色合いは見ていてうっとりします。<br />
<br />
そして、ヒメフチトリゲンゴロウ。<br />
ご覧の通り大きいです。<br />
日本の南西諸島から東南アジアにかけて生息する南方系の昆虫で、日本では数がとても少ない絶滅危惧種です。始めて実物を見たので感激しました。<br />
これらの減少原因は、開発や農薬だといわれますし、概ねそうなのでしょうが、一方で人の手が加わった人工の水辺でも見つかったりします。<br />
これらライフサイクルの短い昆虫類を守るには、成虫のほか、産卵場所や幼虫の食べ物など、複数の条件がそろわなくてはなりません。それらを解明することが水族館職員も含む生態学者の急務です。<br />
<br />
水族館の方へは、展示や生態の研究のために、今回紹介した生物の一部を連れ帰っています。<br />
そのいくつかは早速、<a href="http://www.enosui.com/exhibition_coldwarm.php">冷たい海・暖かい海ゾーン</a>や<a href="http://www.enosui.com/exhibition_find.php">発見の小窓“小さな地球”</a>で展示しておりますし、今後テーマ水槽などでも展示の機会を作りたいと思いますのでご期待下さい。<br />
展示を通し、飼育観察を続け、繁殖や保護に役立つ情報を少しでも多く記録してゆければと思っております。<br />
<br />
2012-03-31T19:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/30 石垣島(3)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00403<br />気を取り直して、昨日とは違った場所を探してみることにしました。<br />
川や林、マングローブ。<br />
魚や昆虫目当てでは行ったことがありますが、今回はカタツムリに注目して再び調査です。<br />
<br />
<a href="http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00401">1日目の日誌</a>でお伝えしたように、マングローブでは非常にたくさんの巻貝がいます。<br />
ムシロガイやカノコガイ、ウミニナの仲間などです。<br />
これらをカタツムリと呼ぶにはちょっと違う気がしますが、潮が引いている時に、水の浮力を借りずに泥上や樹上で元気よく活動している様子は、まさに陸貝の趣です。<br />
逆に江の島などの磯には、海のカサガイそっくりなカラマツガイ(分類学的にマイマイに近い)がいたりします。<br />
イワガニ類もそうですが、貝でも、マングローブがあると岩から樹上に棲むものが出てくるから不思議です。<br />
<br />
一方、海水の影響を受けなくなる川の上の方になると、貝の姿はぐっと減ります。<br />
水田の水路まわりではスクミリンゴガイに加え、トウガタカワニナ類や小さなモノアラガイ類がいますが、川の本流ではシジミ類がぽつぽつ見つかる程度。<br />
そんな中、川べりの草にくっ付く数ミリの巻貝を発見。<br />
ヒラマキガイの仲間(これもマイマイに近い仲間)です。<br />
しかし小さい。これは魚に目がいっている普段では、絶対に見落としてしまいます。<br />
<br />
車でどんどんと内陸に向かうと、標高が高くなるにつれ、林道に変わります。<br />
道路わきには巨大なシダやサキシマスオウノキが立ち並び、ジュラシックパークの世界です。<br />
地面には落葉や倒木が積もり、くぼんだところには水がたまってじめじめしています。<br />
ただやはり冬だからでしょうか。カタツムリは貝殻ばかりで、生きたものはなかなか見つかりません。<br />
かっこいい「タイワンサソリモドキ」を見つけては、モチベーションを回復させ、シロアリの群れや巨大なムカデに驚きながら捜索を続けていると、いくつか見つけることができました。<br />
大きな貝殻と野趣溢れる茶色い模様が特徴のカタツムリらしいマイマイです。<br />
イッシキマイマイでしょうか。冬眠状態で、湿り気を与えても顔を出してくれませんでした。<br />
<br />
反対に、とても小さく細長い巻貝もいました。キセルガイの仲間です。<br />
この仲間は微小でよく似た種類が多いため、完璧な同定には骨が折れそうです。<br />
ところでキセルってわかりますか?<br />
タバコを吸うためのパイプのような道具で、日本で見かけることはほとんどありませんね。<br />
戦国時代や江戸時代を題材にした漫画の中で、武将や大泥棒がぷかぷかふかし、時に武器にするアレです。<br />
<br />
この貝を見てください。巻きが左右逆です。<br />
クロイワヒダリマキマイマイと思われます。<br />
石垣島には、カタツムリの肉を引き抜いて食べるヘビがいます。このヘビは、右巻きの貝を食べやすいように適応しているので、それに食べられにくく進化しているみたいです。<br />
<br />
殻が平べったくて、お皿のようになっているのはツヤカサマイマイ。てかりのあるだんだら模様の殻が小さいながら美しいです。<br />
黒い肉の色と、長いつのがペガッ○星人みたいです。<br />
<br />
そしてこれ、貝殻の縁に回転ノコのごとく毛が生えているクロイワオオケマイマイ。<br />
「ケマイマイ」の中で日本最大で、直径4センチ以上になるそうですが、今回観察できたのは1センチくらいの幼体でした。<br />
これの大きい個体をぜひ見てみたいし、皆様にもお見せしたいです。<br />
<br />
と、結果的に多くのカタツムリたちを観察することが出来ました。<br />
これらの暮らしぶりを知った上で、その魅力を最大限に引き出し、展示や保護活動につなげられるようにしたいです。<br />
2012-03-30T19:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/29 石垣島(2)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00402<br />
今日から本格的に調査です。<br />
今回のメインターゲットは「カタツムリ」。広い意味では陸上や水際にいる巻貝の呼び名ですが、その解釈は時と場合で異なるようです。<br />
南西諸島は日本でも特に陸貝が繁栄する場所です。<br />
とはいえ、私は本気でカタツムリ探しをしたことがない・・・<br />
子供の頃、ブロック塀で捕まえたものを飼っていたことはありますが、ほとんどシロート。<br />
事前に図鑑などで生息種の特徴や、生息環境を調べて望みました。<br />
石垣島はここのところ雨がなく、カラッとした気候。果たして見つけることができるのでしょうか。<br />
<br />
島の市街地からちょっと内陸部へ車を走らせると、すぐに広大な水田や畑(サトウキビやパイナップルでしょうか)が現れます。そうした農地の隅っこにある伐採された木や、朽ちた農具、ダンボール箱を見つけ次第、ひっくり返してみました。<br />
<br />
巨大な外来種、アフリカマイマイがすぐに見つかります。<br />
食用として日本に持ち込まれたものが逃げ出し、いまや世界的な農業害貝です。<br />
きちんと調理して、食用にしている国もあるようですが、植物防疫法によって持ち運びが禁止されています。<br />
綺麗な貝なのですが。<br />
<br />
次に見つけたのがベッコウのようにつやつやした貝殻を持つカタツムリです。<br />
写真のように集団で冬越ししていたみたいですが、動きが早い!次々と覚醒すると肉が黒い!毎秒2〜3cmくらいのスピードでどんどんはっていきます。<br />
後で調べてみるとこちらも外来種みたいです(アジアベッコウ?)。<br />
<br />
これはナメクジか!?<br />
よく見ると背中に小さな黄土色の殻が見えます。<br />
これも外来種「ヒラコウラベッコウガイ」。<br />
嫌いな方はごめんなさい、ですが普通のナメクジと違って、長い「つの」をピンと立てて活動するので、顔つきはカタツムリ。<br />
ちなみに私は顔がしっかりしている生物、ナメクジやヘビまでは平気です。<br />
青虫タイプやミミズタイプの生物は苦手です。<br />
湿度と温度に恵まれた石垣島は、魚類だけでなく、カタツムリにとっても移入、定着してしまいやすいエリアのようです。<br />
<br />
アジアベッコウに混じって申し訳なさそうにいるのが、オキナワウスカワマイマイ。<br />
正直、関東にいるウスカワマイマイとそう違いがありませんが、やっと在来の種に出会えてほっとします。<br />
動きもカタツムリらしいゆったり感。じれったくなるくらい待たされてやっと、つのを出します。<br />
<br />
さて、ここでちょっと重要なお話。<br />
アフリカマイマイをはじめとした陸貝の体には、人命に関わる寄生虫「広東住血吸虫」がいる可能性があるので、素手で触るのはよくありません。<br />
出来れば使い捨て手袋などを用い、接した後はよく手を洗いましょう。<br />
普段の魚採りでは泥だらけの手でオムスビを食べる私も、流石に今回は飲用兼用のお茶で手を洗いながら調査しましたよ。<br />
<br />
ともはれ、外来種ばっかりですね。<br />
ちょっと不安を覚えつつ、明日はもうちょっと違った環境を探しに行ってみます。<br />
2012-03-29T19:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/28 石垣島(1)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00401<br />皆様こんにちは。私は今、石垣島にいます。<br />
以前来たのが<a href="http://www.enosui.com/onboard.php?month=2008-07">2008年7月</a>。当時は深海チームの一員としてJAMSTECの沖縄トラフ航海に参加しており、その帰りにちょろっと寄った感じでした。<br />
今回はずーっと石垣島。約3日間、寝ても覚めても石垣島なのです。<br />
<br />
今回は大きな目的が一つあります。<br />
日本で石垣島の周辺で特有の、ある生物の調査です。<br />
そのついで、といっていいと思いますが、今後の展示の参考とするため、いつものマングローブや、陸上、淡水域の生物も観察しますよ。<br />
<br />
今回、直通便が取れなかったので、島に着いたのは夕方。<br />
本格的な調査は明日以降にして、以前行ったことのある近場のフィールドへ行ってみました。<br />
名も無い水路が海に流れて小さなマングローブがあり、ちょっと内陸には水田があります。<br />
現場に着いたときは18時過ぎ。<br />
綺麗な夕焼けを一瞬楽しんだ後、ひたすら地べたをにらんでいました。<br />
<br />
干潟上にはおびただしい数の巻貝が埋め尽くしており、拾い上げると結構な割合でヤドカリです。<br />
ツメナガヨコバサミの幼体でしょうか。小石をひっくり返してみると、ハシリイワガニやフタバカクガニがダッシュで逃げていきます。<br />
彼らの暮らしぶりは「木登りをするカニ」として<a href="http://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=00540">日誌</a>や展示で紹介してきましたが、この時期は一応冬なので、樹上で活動する生物はかなり少なめでした。この点は残念。<br />
<br />
水路にちょっと網を入れてみると、カワアナゴの仲間(チチブモドキかオカメハゼ)の幼魚が何匹も採集されます。目が顔の横についており、シャープなシルエットが実に私好みです。神奈川県ではレアな種類も、こっちではごくごくありふれた魚の一つです。<br />
<br />
すぐにあたりは真っ暗闇。今度はヘッドライトを装着して水田へ。水面を眺めていくと、外来種のジャンボタニシこと「スクミリンゴガイ」がそこかしこに見られます。水田の区画によっては、透明なヒメアマガエルのオタマジャクシがたくさん。私は初めて出会ったので、感激して写真も取らずに観察しまくっていましたら、もう21時を回っています。ふと気づくとあたりはカエルたちの大合唱です。どうやら3種類。グゴゴゴと機械音のようなオオヒキガエル、ガタガタガタと低い音のヒメアマガエル。キュコココ甲高いヤエヤマアオガエル、でしょうか。<br />
初日から癒されますが、本番の調査に備えて、今日はこの辺で失礼します。<br />
2012-03-28T18:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/10 三陸岩手沖〜北海道南西沖(5)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00400<br />本日は、とうとう2回目の潜航。天気も海況も良好でした。<br />
船内も海上であることを忘れてしまうほど、穏やかでした。<br />
おとといと同様に、朝、水槽と生物のチェックを行い、水槽内の整理・換水をして、本日サンプリングされる生物用の水槽を用意しました。<br />
今回は、北海道南西沖での潜航でした。<br />
着水は、前回と同じ時間帯。<br />
おとといは初めて潜航の様子を見たり、初めて記録(ダイブログ)をとったりしていたので、ハラハラ、ドキドキしながらモニターを眺めていましたが、今回はおとといの経験もあったため、落ち着いて生物の観察ができました。<br />
やはり、海域が違うと生物層が違い、見られるクラゲも異なりました。<br />
その中でもとても多かったのが、オキアミ類です。<br />
「かいこう7000Ⅱ」の光にオキアミ類が大量に寄ってきて、圧倒されました。<br />
海底の様子も異なり、見られる生物もおとといとは違ったので、何か生物が見つかるたびに、興奮のあまり椅子から立ち上がってしまいました。<br />
<br />
潜航後は、ソーティング作業と写真撮影をしました。<br />
北嶋トリーターが航海日誌で写真撮影について触れていましたが、実は私も航海前に写真撮影が上手な根本トリーターから厳しいレッスンを受けていました。<br />
私はもともと一眼レフを扱っていなかったので、素人同然でしたが、厳しいレッスンのかいもあって、なんとか美しい写真が撮れました。<br />
写真は貴重な資料になるため、重要な任務を果たせたであろうと思っています。<br />
<br />
明日でとうとう航海が終わります。<br />
本当に本当に良い経験ができました。大変でしたが、航海前の自分より一回り成長できたと思います。<br />
<br />
2012-03-10T18:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/09 三陸岩手沖〜北海道南西沖(4)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00399<br />船上生活4日目となりました。<br />
昨日から水槽に生き物を収容したので、まず朝ご飯前に、水槽チェックにいきました。<br />
みな、大丈夫のようです。<br />
見るまでは、ちょっとヒヤヒヤしていました。<br />
限られた空間で限られた道具で作業するのは、普段と勝手が違うのでいつも以上に気を使います。<br />
本日は、午前中、水槽内の生き物の整理、換水、水槽まわりの整理、明日の水槽の準備やソーティングの準備などを行いました。<br />
<br />
午後は、避難訓練をしました。<br />
ヘルメット、救命胴衣、軍手、タオルを着用して、全員一番上のデッキに集合しました。船上での避難訓練は初めてだったので、いい経験になりました。<br />
明日は、2回目の「かいこう7000Ⅱ」の潜航日です。<br />
場所は、北海道南西沖。<br />
今のところ、海は穏やかですが、外の風はやはりかなり冷たいです。<br />
明日も海況が良く、いい潜航になるよう、神様、仏様、金毘羅様〜!!<br />
<br />
2012-03-09T22:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/08 三陸岩手沖〜北海道南西沖(3)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00398<br />1日目の日誌に船酔いは平気になりました!と書きましたが、そのあとが実はひどかったです。<br />
夜、かなり揺れ、2日目も揺れ続けていました。<br />
私は、夜からずっと船酔いが続き、ご飯もあまり食べられない状態でした。<br />
しかし、 山を越えたのか、ある一時を過ぎると全く平気になり、普通に生活できるようになりました。<br />
揺れがおさまったのと、船に慣れたこともあると思います。<br />
あと、小谷野さんが言っていたように、普段の仕事をし始めたこともあると思います。<br />
<br />
今日は、いよいよ「かいこう7000Ⅱ」の三陸沖での潜航日です。<br />
天気も海況も良好です!<br />
潜航日和!朝からワクワクです。<br />
<br />
朝、調査用の装備(ペイロード)写真を撮って、水槽をチェックして、ご飯を食べ、いよいよ潜航です。<br />
横のデッキから「かいこう」が海に向かっていくところを見ていたのですが、やっぱり“かっこいい”です!興奮しました。<br />
着水してだんだん「かいこう」が沈んでいく姿を見て、やっぱり“おおおぉぉぉ〜”という感じです。感動です。<br />
<br />
潜航が始まると、みんなでモニター室に行き、潜航映像を見ながら記録をとりました。<br />
今回は、1000m付近まで潜りました。<br />
潜航中、カッパクラゲなどいろいろな深海性のクラゲも見られました。<br />
初めて見るものもいて、図鑑を見ながら感動していました。<br />
「かいこう」に装備されているマニピュレーター(マジックハンドのようにものをつかむ)やスラープガン(掃除機のように吸い取る)などが実際に動くところも初めて見たので、大変貴重な経験をしているなと実感しました。<br />
<br />
無事潜航が終わると、ソーティング作業です。<br />
生物を分類し、私たち“えのすいチーム”は飼育を始めます。<br />
ここからが本領発揮の場になるため、頑張り所です。<br />
あとは、記録用に生物の写真撮影やデータまとめなども行います。<br />
今日はどのチームも夜遅くまで頑張りました。<br />
明日は、回航日で、明後日は2回目の潜航日です。<br />
今度は北海道です。<br />
<br />
2012-03-08T22:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/07 三陸岩手沖〜北海道南西沖(2)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00397<br />航海2日目、真夜中に館山沖を出発し、三陸沖に向かっています。<br />
海はかなり荒れています。夜中には、船の揺れで居室のドアが開いたり、閉まったりするバタン、バタンという音で何度か目が覚めました。<br />
<br />
今日は明日からの潜航に備え、クラゲ専用水槽のセッティングを行いました。<br />
クラゲは体がゼラチン質で柔らかく、遊泳力が弱いため、水槽をセッティングする際には特別な配慮が必要です。<br />
ろ過装置にクラゲが吸われないようにしたり、水流を起して、クラゲが浮遊できるようにしたり、と細かいところまで気を使います。<br />
私も笠川も、朝から船酔いしていたのですが、飼育作業を行っているとあら、不思議・・・。<br />
なんと気分がすっきりしてきたのです。<br />
慣れない船上でも、いつもの仕事をしていると、心が落ち着きます。<br />
えのすいのクラゲたちと別れてまだ数日ですが、もう恋しくなってきました。<br />
<br />
明日はいよいよ、三陸沖でかいこう7000Ⅱが潜航し、クラゲの調査が行われます。<br />
どんな深海のクラゲたちに出会えるのか、とても楽しみです。<br />
万全の準備をして明日に望みます。<br />
<br />
2012-03-07T20:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/03/06 三陸岩手沖〜北海道南西沖(1)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00396<br />本日6日より、えのすいクラゲチーム、小谷野・笠川の2名でJAMSTECの航海調査に同行させていただいています。<br />
乗船している船は、つい先日、<a href="http://www.enosui.com/onboard.php?month=2012-02">北嶋トリーターが相模湾の深海生物調査</a>で乗船していた船と同じJAMSTECの深海調査研究船「かいれい」です。<br />
探査機も同じで、最大潜航深度7000mまで潜航調査することができる無人探査機「かいこう7000Ⅱ」での調査となります。<br />
普段、このようなJAMSTECの航海は、深海チームのメンバーが参加することが多いのですが、今回の調査はクラゲがメインとなる調査のため、私たちクラゲチームが参加しました。<br />
私は今回が初JAMSTEC航海のため、期待と不安を胸に乗船しましたが、どちらかというとワクワクのほうが大きいです。<br />
<br />
今日は、晴海ふ頭(東京)を出港して、三陸の調査海域を目指します。と思いきや・・・・ 海況が良くないため、千葉の館山沖で停泊する予定です。<br />
結構、船内は揺れています。<br />
今日は、午前中に研究員のMTG、船内生活についてのレクチャー、「かいこう7000Ⅱ」のオペレーションに関するレクチャーなどを受けました。<br />
酔わないことを願っていたのですが、やはりちょっと、ウッときてしまいお昼ご飯を残してしまいました。<br />
でも、大丈夫です!しばらくしたら平気になり、お腹がすいてきました。<br />
夕方、みんなでブリッジに集合し、金毘羅参拝をしました。<br />
明日は回航日で調査海域を目指します。<br />
1回目の「かいこう7000Ⅱ」の潜航は8日です。今回の航海は、2回しか潜航する日がないので、どうかどうか、海況が良く無事潜航が出来ますよう願うばかりです。<br />
神様、仏様、金毘羅様〜!!!<br />
(金毘羅様は海の神様、船の守り神とされています。)<br />
<br />
2012-03-06T20:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/25 相模湾・初島沖(6)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00395<br />最終日です。<br />
本当に海況に恵まれた航海でした。<br />
「相模湾は揺れないよ」と聞いていたのにもかかわらず、過去二回経験した乗船では潜航が危ぶまれるほど揺れていて、こんなものなのかな、とおもっていたのですが、これが他の方から聞いていた相模湾であるのだとやっと実感しました。<br />
一度も酔わず、マクロ写真も思う存分撮れました。<br />
<br />
乗船前は初めてだらけのひとり乗船で、不安がいっぱいだったのですが、同乗した研究者や学生さん、かいれいクルーの皆さん、かいこう運航チームの皆さんのおかげでとても実りある航海になりました。<br />
大変お世話になりました!<br />
<br />
9時過ぎ、下船地である静岡県の清水港へ入港しました。<br />
手伝ってもらいながら朝から片付けや生き物を輸送するための袋詰め作業をしました。<br />
今回は、シロウリガイなどはVIP待遇で輸送するために、全て1袋に1個体ずつにしました。<br />
また、ハオリムシ専用の長細いケースを出かける前に手作りで準備してきたのですが、ちょうどよく活用できました。<br />
そうこうしていると、杉村トリーターがえのすい号で迎えに来てくれました。<br />
すべてを積み込み、トラックで揺られながら東名高速をひた走り、15時に水族館に到着。<br />
生きものを入れる水槽の確認をしながら、数を数えたり、サイズを測ったり、シロウリガイにマーキングしたりして水槽へそっと入れました。<br />
「これぞえのすいの深海生物飼育だ!」<br />
と胸を張れるよう、飼育に取り組みますので、ぜひ見に来て下さい。<br />
<br />
今回の航海日誌はこれでおしまいですが、今後の取り組みや成果、生き物についてなどは深海コーナーやトリーター日誌でも紹介しますので、ぜひチェックしてみて下さい。<br />
<br />
では、水族館で深海生物たちとおまちしています。<br />
2012-02-25T20:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/24 相模湾・初島沖(5)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00394<br />昨日の夜から「かいれい」は伊東沖に停泊しています。<br />
今日の朝6時半に研究者の入れ替えがあるためです。<br />
<br />
「かいれい」は大きな船なので、沖から通船を使います。<br />
今日乗船した方は、えのすいを今回の航海へ誘ってくださった研究者たちです。<br />
ですから、今日が最後の潜航日ですが、メイン潜航なのです。気合が入ります。<br />
<br />
さあ、今日はこれまでの潜航での登場回数が多い、ある大型生物を紹介します。<br />
メインターゲットのシロウリガイ類やシンカイヒバリガイ類はダントツで多く生息しているのですが、その上をのっそのっそ歩く真っ赤なカニがよく目につくんです。<br />
これはエゾイバラガニです。<br />
大きさは甲羅が大人の手くらいのサイズでしょうか。<br />
初日は、海底観測のタワーにカニがたくさん登ってカニタワーになっていました。<br />
2日目、3日目も移動中などにときどき確認されました。<br />
そして、今日はちょっと面白い場面が見られました。<br />
エゾイバラガニは一心にシンカイヒバリガイを一食べていたのですが、そこへヌタウナギが突っ込んできたのです。<br />
カニはとっさに(?)ヌタウナギを食べようとしたのか、追い払おうとしたのか、つかもうとしています。<br />
ヌタウナギはそれでもヒバリガイに食らいついて、なんだかヒバリガイの奪い合いのようにも見えました。<br />
移動しようと「かいこう」が動き出した時に起きた事件でした。<br />
このエゾイバラガニ、聞いた話だとこの海域では10年ほど前まではこんなに深い所に沢山いなかったそうです。<br />
もう少し浅場にいたとのことですが、どうして深い所に増えたのでしょうか。すこし気になります。<br />
<br />
えのすいにもエゾイバラガニは深海コーナーの化学合成生態系水槽にいます。<br />
ヌタウナギと格闘していたのと比べると小さくてかわいいサイズですが、かなり年季が入ってきました。<br />
ここは、ほとんど餌を与えていない水槽なのですが、自力で餌を見つけて、何度も脱皮して成長しています。<br />
ハオリムシの林に隠れていることも多いですが、赤い体は光が当たればよく目立ちますので、ぜひ探してみてください。<br />
2012-02-24T22:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/23 相模湾・初島沖(4)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00393<br />
朝起きたら雨が降っていました。<br />
でも今日も海は荒れていませんので、潜航決行です。<br />
だんだん「かいれい」に勝手ながらなじんできた気がします。<br />
今日は、私が船上でどんな事をしているか、一日の流れをお教えします。<br />
<br />
6:00 起床<br />
<font color="#404040">6:30 「かいこう」の搭載機器(ぺイロード)の写真撮影。調査目的に合わせて仕様が変わるので、毎回潜航前に撮影しなければなりません。</font><br />
6:50 水槽のチェック。<br />
<font color="#404040">7:00 朝食。</font><br />
7:30 メールチェックなど事務作業。<br />
<hr /><center>このくらいの時間から<br />
「かいこう」の潜航準備が始まります。</center><hr />
<p><font color="#404040">かっこいい潜航までの流れを見に行きます。</font><br />
8:30 「かいこう」着水。<br />
<font color="#404040">9:00 「かいこう」コントロールルームへ行って、見学や操縦のお願いをします。</font><br />
9:42 水深900m地点に着底。<br />
<font color="#404040">10:00 水槽トラブル発生!頭をひねってどうにかトラブル解決する。</font><br />
11:00 えのすいが関係している潜航のため、コントロールルームへ行く。<br />
<font color="#404040">11:20 昼食。</font><br />
11:40 水槽チェックして一休み。<br />
<font color="#404040">12:00 コントロールルームで見学。</font><br />
14:00 ダイブログをつける。これは、いつどこでなにがあったかをつける記録です。1時間毎に交替で記録係をやります。<br />
<font color="#404040">15:00 「かいこう」搭載のデジタルカメラ撮影係。こちらも1時間交代でやります。</font><br />
16:00 離底。浮上開始です。<br />
<font color="#404040">16:20 夕食。</font><br />
16:45 「かいこう」揚収。<br />
<font color="#404040">17:00 あがってきた生き物の回収。ソーティング。計測をしながら水槽へ入れたり、研究者へ渡したり。</font><br />
19:00 研究者MTG<br />
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・・・・・・<br />
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このあと、この日誌を書いたり、生き物の選別の続きをしたり、写真撮影をしたり、レポートをかいたりします。<br />
まあ、だいたいこんな感じでバタバタしています。<br />
それでも今回は1日1潜航で、生物以外の課題もある航海なので、のんびりしているほうなのかな。<br />
今日は午前様になりそうな予感。<br />
残りあと1日ちょっと。気合い入れてがんばろ!</p>
2012-02-23T22:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/22 相模湾・初島沖(3)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00392<br />
潜航2日目です。空は曇っていますが、海況良好です。<br />
今日はシロウリガイデーです。<br />
ちょっと深場のシロウリガイコロニーがあるところを調査しました。<br />
えのすいが初島沖に来るたびに、シロウリガイについてはこの航海日誌でも熱く語っていますが、今航海でも最重要生物の1つです。<br />
この貝を、まずは船上でいかに元気なまま飼育して、水族館へ持ち帰るか、ということで、いろいろ準備して来ました。<br />
水を3℃まで冷やす強力なクーラー、貝類の船上飼育に大活躍のプロテインスキマー、最近個人的に注目している活性炭などなど。<br />
船の上でおこなったケアは、その後の水族館での長期飼育の明暗を分けるといっても過言ではないくらい、すごく重要なのです。<br />
これが良い結果につながるとよいのですが。<br />
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只今20時。これから生き物の写真撮影大会をしてから休むことにします。<br />
今航海前に根本トリーターから写真撮影のレクチャーを受けてからきました。<br />
ゴカイなどは肉眼でみるとちょっとグロテスクですが、写真に撮るとキラキラ輝いてとってもきれいなんですよ。<br />
たくさん撮りためて、深海生物図鑑をつくって、みなさんにもお見せしたいなと目論見中です。<br />
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2012-02-22T20:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/21 相模湾・初島沖(2)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00391<br />今日からいよいよ潜航が始まります。<br />
こんな穏やかな航海は初めてかもしれません。絶好の潜航日和です。<br />
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「かいこう」については昨日の日誌でも少し触れましたが、ランダーとビークルの2段式のため、潜航までの段取りがいくつもありました。<br />
使う機器が多い分、点検しなければならない箇所もたくさんあります。<br />
「かいこう」は台車に乗っていて、格納庫から船尾まで台車に乗ったままレールで引かれていきます。そこからランチャーとビークルが一緒に吊りあげられて、海へとゆっくりダイブしていきました。<br />
今朝、「かいこう」のペイロード(搭載機器)の写真撮影をしにいった時に、運航チームの方が話しかけてくださった言葉を思い出しました。<br />
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「(かいこうは)かっこいいだろ!愛情いっぱいかけていつもやってるんだよ。」<br />
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ほんと、「かいれい」も「かいれい」を動かす運航チームの方々もすごくかっこよかったです。<br />
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今日の潜航は初島ステーションへ行きました。<br />
初島ステーションは1993年から深海底の観測が行われている場所です。<br />
初島ステーションのまわりでは大きなエゾイバラガニやソコダラ、ヌタウナギなどの魚がいました。<br />
クラゲもたくさん泳いでいました。<br />
明日は生物のサンプリングが予定されているので、忙しくなることを期待して、今日は早く寝ることにします。<br />
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[追伸]<br />
明日から<a href="http://www.jamstec.go.jp/maritec/j/blueearth/2012/"target="_blank">ブルーアース</a>の発表があります。根本くん、杉村さん、私の分までよろしくおねがいします!<br />
2012-02-21T21:00:00+09:00航海・採集日誌
- 2012/02/20 相模湾・初島沖(1)http://www.enosui.com/onboardentry.php?eid=00390<br />みなさん、こんにちは。<br />
久しぶりの航海です。航海日誌も久しぶり。<br />
今回は初めての一人(えのすいから)乗船、初「かいれい」、初「かいこう7000Ⅱ」で不安と期待が入り混じってます。<br />
しっかり船上で目的が果たせますようにがんばります!<br />
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今日の乗船地は、横浜みなとみらいでした。<br />
横浜は港町だってよく知ってはいるけれど、どちらかというと買い物やデートスポットなイメージが強かったので、赤レンガ倉庫のすぐ裏で、赤い帽子がよく目立つ「かいれい」を見つけたとき「おぉっ!」っと感動してしまいました。<br />
カップルの間をすり抜けながら、30mのホースとかロープとかが詰まった大きな荷物を持って船に到着。すごい荷物だったので、道中変な人だと思われたかもしれないです。<br />
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乗船後は、船内生活のレクチャーや「かいこう7000Ⅱ」についての説明がありました。<br />
「かいこう」は、探査をする部分(ビークル)だけでなく、その上にランチャーという親機みたいなものがついています。<br />
これまでお世話になったことのある「ハイパードルフィン」の倍、7000mまで深く潜ると、母船とつながっているケーブルが流されてしまったりしてどこかへ引っかかってしまう恐れが高くなります。中継役のランチャーがいることによって、それを防ぐ役割があります。<br />
ランチャーにはスラスターが付いていないので、ビークルが長い距離を移動するときは、母船も一緒に移動するのだそうです。<br />
3機の息の合った連携が重要なんですね。すごいな。<br />
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その後、ブリッジに船内の人全員が集まり、無事の航海を祈って、金毘羅参拝をしました。<br />
これも初めて体験しました。そのおかげか、驚くほど海は穏やかです。<br />
予定は25日まで。明日からは忙しくなりそうです。<br />
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2012-02-20T20:00:00+09:00航海・採集日誌