2019年06月19日
トリーター:杉村

数年に一度の深海“低温室”の大掃除?!

低温室外観低温室外観

きょうは、いつもと違って水族館の裏側のお話です。

“えのすい”の深海バックヤードには、特別な予備水槽が設置されています。
それは・・・“大きな冷蔵庫”です。
冷蔵庫といっても家庭にあるようなものではなく、プレハブ型の冷蔵倉庫です。
われわれトリーター内では、この冷蔵倉庫のことを通称“低温室”と呼んでいます。
低温室であれば、小さな水槽もまとめて冷やせて、しかも扉を閉めれば光の遮断もできて一石二鳥です。
※JAMSTECの調査船の中には、実験用の高性能冷蔵コンテナを搭載している船もあります。

“えのすい”のバックヤードツアーにこれまで参加された方の中で、もしこの低温室に気づいていた方がいたら・・・すごいです!!
・・・言われなければ気づかないほどの地味な倉庫です・・・

この低温室の冷却装置に塩害などによる劣化が発見されたため、数年ぶりに冷却装置の修理交換をおこなうことになり、この機に低温室の大掃除となったわけです。
一昨日の17日から深海生物の引っ越しをおこない、昨日の18日に冷却装置の修理交換と低温室内の大掃除をおこないました。
数年分のゴミと空気配管や海水補給管の修理、そしてこれまで手つかずになっていた水槽などの掃除と撤去なども同時におこないました。

水槽や室内の棚の整理をおこなったことで、飼育生物の管理のしやすさに加えて、低温室内でのちょっとした作業や実験もおこなえるようなスペースも確保できました。
修理も無事に終了して、きょうから本格的に冷蔵倉庫内を冷やして、1日おいた明後日には再び元の住人たちをこの倉庫内の予備水槽に戻す予定です。

新たな気持ちで深海の生き物たちと向き合うことができそうで、なんだかちょっとワクワクしています。
やっぱり、掃除はするものですね。
なんだか子どものころに味わった感覚を想い出しました(笑)。
後は、この状態をできるだけ維持せねば・・・実はこれがなかなか難しい・・・ですよね(苦笑)。

みなさんも、お部屋の掃除をして気持ちを新たにしてみませんか?


お掃除中


お掃除完了!

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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