2020年05月21日
トリーター:鈴木

飼育下四世のフウセンウオ誕生!!

現在 2歳 飼育下三世のフウセンウオ(展示水槽)現在 2歳 飼育下三世のフウセンウオ(展示水槽)

こんにちは、鈴木です。
緊急事態宣言が解除された地域もありますが、まだまだ気を抜けない状況が続いているかと思います。
“えのすい”は動物も人も元気ですのでどうかご安心ください。

さて、今回は久々のフウセンウオの話題で、個人的に大変嬉しいお知らせです(少し時間は経ってしまいましたが)。
現在 太平洋の冷たい海の展示水槽に暮らす飼育下三世のフウセンウオ(写真上/2018年6~ 8月えのすい生まれ、現在 約 2歳)が今年の 1月頃から産卵をはじめ、ついに先月 4月 2日にめでたく飼育下四世のフウセンウオが誕生しました!


飼育下四世のフウセンウオの赤ちゃん(ふ化直後)

飼育下四世とは、お父さんとお祖父さんが水族館生まれということで、“えのすい”で誕生したバンドウイルカの「ミレニー」や「マリン」と同じなんです。
久々に海獣類担当時代のパートナーの名前を出せて嬉しい思いはさておき(ミレニー、もう忘れられてるだろうな・・)、繁殖を始めた当初(2016年)はまさかここまで命が繋がるとは考えてもおらず、本当に嬉しい限りです。

ただ、今回の四世誕生は大成功!と手放しで喜べるものではありませんでした。
1月頃から水槽内で多くの産卵があり、以前の成功例に沿ってあらゆる手法で飼育をしておりましたが、ほとんどの卵が発生半ばで腐ってしまう状態が続きました。
予想はしておりましたが、私の経験上、飼育下で継代を重ねた魚は自然の個体と比べ成長面で劣る部分が出てくることが多いです。
例えば、通常フウセンウオは約 1年(1歳)で成熟し産卵を始めますが、今回の親である三世のフウセンウオは 2歳でようやく産卵に至りました(1歳の頃は通常の半分程度のサイズでした)。
また当然血統が近いペアが多くなるので、世代を重ねるごとに繁殖は困難になります。

正直、諦めかけておりましたが、状態の良い卵を選り分けながら飼育を続け、何とか 10個体ほどのふ化に成功しました。


フウセンウオの卵

現在四世のフウセンウオは 6個体が順調に成長しております。
まだまだ展示水槽でお見せできるようなサイズではありませんが、一日でも早くみなさまにお披露目できる日まで、大切に育てていきたいと思います。

今後、どこまで今のフウセンウオの展示を続けられるかは分かりませんが、今回の親である展示水槽の三世(2歳)はまだまだ元気ですし、さらにバックヤード(一部展示水槽の吊るしケース内)には令和生まれの三世(1歳)も多く控えておりますので、引き続き元気で可愛らしいフウセンウオの姿を見せられるように頑張りたいと思います。


現在 1歳、令和生まれ三世のフウセンウオ(展示ケース内)

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2018/03/15 フウセンウオ順調に成長中!
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2018/12/11 飼育下三世のフウセンウオ展示スタート!
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