2022年05月15日
トリーター:小森

まさかの場所でカメに出会う

緊急事態宣言のない春の大型連休はどう過ごしましたか?
私は東北にちょこっと用がありまして、そのついでに秋田の角館へぷらっと観光にいってきました。
毎年、この時期は桜が満開ということでウキウキしながら到着!
さぁ、ご覧ください!!

なんてきれいな、桜……?
そう、連日の雨のせいで今年はとっくに桜の時期が終わってしまったそうです。。。とほほ。。。

武家屋敷で有名な角館。
到着早々、野生の武士が写真撮って~と法螺貝片手に近づいてきました。
なんて人懐っこい武士なのでしょうか。
写真は撮りましたが、最後までこの野良武士さんの正体がわからなかったのでこちらに載せるのは控えておきますね。(笑)

そんなゆる~い始まりとなった角館観光。
きょうは仕事を忘れて思いっきり楽しもう!と武家屋敷にも入ってみました。
ガイドボランティアさんが「上をご覧ください」というので顔をあげてみると…
カメ!!

実は、前日までいろいろとカメのお勉強をしていました。
仕事から離れるつもりが、秋田に来てまでカメと遭遇。わぁお。
ちなみに、こちらのカメは木目を水面に見立てて彫っており、光が入ると影絵のようになる、というとても素敵なものでした。
当時の光はろうそくがほとんどなので、影絵もゆらゆら揺れていたのでしょうね…、とのこと。ロマンチックですね、日本人。
きっとこのモデルは日本の固有種、「ニホンイシガメ」なのでしょう。
そして尾が長いから雄なのかな??どこを見てもニホンイシガメが当たり前にいる当時の川、素敵です。

続いて史料館にも訪れてみました。すると、ここにもカメ!!!

なんと昔は火薬入れにカメの甲羅が利用されていたのですね。初めて見ました。
西洋でも火薬入れとして使用されていたのでしょうか?
気になります。
このカメは何ガメなんでしょうか。
200~300年前には外来種であるクサガメはまだ南の方にしかいなかったとのことなので、おそらくこのカメも「ニホンイシガメ」なのかな…?
この甲羅の感じはニホンイシガメな気がする…。
でもまだ勉強し始めたばかりなので違っていたらごめんなさい。

こんな感じで、仕事を忘れて観光するつもりが仕事の影響でいろいろとカメに思いをはせちゃいましたが、その後はしっかりと(?)角館を観光しました。
よく歩いたので夜はぐっすり…のはずでしたが、なんと夢にもカメ!!!水槽掃除をしてごはんをあげる夢でした。←ただの仕事 笑

あぁ、もうこれはトリーター日誌でカメを紹介しろというお告げですね。
ということで。

当館のバックヤードにはずーっと昔にお客さまに連れてこられてやってきた「ミシシッピアカミミガメ」が 5匹います。

この子たちは海や川で拾われたのですが、もともとはアメリカ南部からメキシコに生息している種です。飼育できないから、と無責任に放流された子たちが大繁殖して、今では日本各地で見られるようになっています。
※現在は当館の生物の安全面を優先し、カメのお預かりはお断りしております。

残念なことに、相模湾付近の川や海で時折見かけるカメもほぼこの種類でしょう。
日本固有種のカメのためにも、また、彼らミシシッピアカミミガメのためにもみなさんは飼育放棄を絶対にしないでくださいね。

海外のカメつながりでお話しすると、実は密輸入で保護された「インドホシガメ」も“えのすい”のバックヤードで静かに生活しています。
この子たちは絶滅危惧種の貴重なカメです。
ワシントン条約ではCITESⅠ(商業用の売買禁止)に指定されています。
そもそもなぜ絶滅危惧種に?
それは私たち人間が自分たちの利益のために大量に捕獲した歴史があるからです。
うちにやって来たきっかけが「密輸入」というのがまさしくそれを物語っていますね。

インドホシガメは基本的に大食漢なので、毎日モリモリ食べています。

奥から舌ペロ、居眠り、一心不乱と最高のスリーショットです。
最近は食べた後の顔もお気に入りです。
見てください、この顔。まあああああ、お口たくさん汚しちゃって!

この子なんて真ん中で居眠りしてたはずなのに、いつの間にかごはんにダイブしたんじゃないかっていう汚れかたをしていました。

汚れた体は毎日温浴できれいにしているのですが、温浴後に体を拭いていると、おしっこ攻撃をされることが多々あります。
まさに、おむつ替え中の人間のあかちゃんのよう!!
気持ちがいいから出ちゃうんだと、信じたいです。
嫌われてる証拠だったらどうしよう…。

インドホシガメはごくたまああああああああああああああああああに、移動水族館や展示に現れることがありますので、もし運よく見かけた際にはじっくり観察してみてください。

さて、私は新しい班へ異動して、頭も体もパンク状態で帰っては食べずに寝ることを繰り返していたところ、1.5㎏ほど体重が落ちていました。
これはいかん、ということで、東北へいったときに 2日間でしたがカメに負けずにいっぱい食べました。
岩手の「福田パン」というコッペパンにはまり、 7個食べました。たこ焼きが食べたくなって 50個ほど食べました。栗のおまんじゅうにアイスにたこ飯に顔より大きい親子丼にメガ盛りポテトに深夜のバーガーとたくさんモリモリ食べました。
帰ってきたら 3㎏増えていました。
…。
規則正しく生活している“えのすい”のカメたちを見習います。

ウミガメの浜辺

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