2023年02月11日
トリーター:唐亀

クラゲ展示にクラゲでないものが ~ハナビラウオ~

現在、クラゲサイエンスに魚がおります。もちろんクラゲにゆかりのある魚です。名をハナビラウオ。
体色は白く体高があり各ひれが大きく、清楚でエレガンスな魚です。この魚は幼魚で、幼魚の時期には大きなクラゲに寄り添って暮らしています。
クラゲに寄り添う魚は他にもカイワリやイボダイ、ヒレナガカンパチ、テンジクアジなどがあります。
魚以外ですと、クラゲノミやシマイシガニ、イソギンチャクの仲間がつくこともあります。特に魚は身を隠すために寄り添っているものが多いようですが、ハナビラウオはそれだけではありません。
実はこの魚の好物は「クラゲ」なのです。ミズクラゲを同居させると、クラゲの傘に頭を突っ込んで、柔らかい口腕から内部をつついて食します。
次いで傘の周りを食べ始めます。もともと柔らかいクラゲではありますが、その中でも柔らかいところを好んで食べているようです。
また、好みがあるようで、アカクラゲなどは一緒にしても食べませんでした。

幼魚期にはクラゲとともに表層で暮らしている可憐な姿のハナビラウオですが、成長すると体高が低くなり、シャープな黒い砲弾のような姿になり体長も 50センチほどにまでなります。
そして深海で暮らすようになるため、生きた成魚はなかなかお目にかかれません。
実は昨年もクラゲサイエンスにハナビラウオがいました。この個体は割とばりばりミズクラゲを食べていました。今回の個体はミズクラゲの柔らかいところを選んで食べるグルメさんです。また、一緒にキタミズクラゲを入れた時には、キタミズクラゲの傘の上にちょこんと乗っかって、ミズクラゲを食べておりました。まるでソファーに座っておやつを食べているようでした。いわゆるカウチポテト?

クラゲサイエンス

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