2023年05月19日
トリーター:佐野

去年の記憶

“えのすい”では一部のウミガメに色を覚えてもらい、その色の所へ来てもらうトレーニングをおこなっています。
このトレーニングを利用して健康管理の利便性や安全性を図ったり、副次的にショーで紹介したりしています。

昨年、このトレーニングを利用した外部機関の実験に参加しました。
その実験の中で、ウミガメたちには色のついた紐付きの球を水中でまっすぐ追いかけてもらいます。
今年もその追加の実験のお話をいただきました。

打ち合わせを終え、あとはやるだけとなったのですが、問題は 1年間やっていなかった内容を果たしてウミガメたちが覚えているのかどうか。
忘れてしまっているようであれば、実験日までにできるようにしないといけません。
急ぎ道具を作成し確認です。
材料はガチャガチャカプセルとその辺の石、ビニールテープと紐です。
こんなのを作ります。

ターゲットターゲット

アメリカンクラッカー?とか言われますが、ちゃんとした予備実験の道具です。
この紐の端を持ち、もう一方についている球をウミガメに追いかけてもらいます。

まずは 2018年生まれ、青を覚えているティダ。
最初訝しげに球を眺めるも、すんなり付いてきました。
続いて、緑のウチワ。
さすがの物怖じしない性格で何の疑いもなく付いてきました。
次に、赤を覚えている2013年組ナル。
父譲りの警戒心を発揮し、離れた所から横目で見ています。ウミガメのおもしろいところですが、警戒している時はほんとに横目でじーっと怪訝な顔になります。そんなナルを横目に突っ込んできたのが、同じく赤を覚えているルル。
この子は心配なさそうです。
その後、のっそりナルもやってきました。
4個体とも実験日までにはなんとかなりそうです。

同じことをしてもこれだけ反応が違います。そんなウミガメたちの個性は平日開催中の「かめらいふ」で紹介しています。マイペースなカメたちに翻弄されるトリーターと併せてお楽しみください。

ウミガメの浜辺

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