ハナヤギウミヒドラは、ヤギ類やトゲトサカ類の表面に共生することが知られているヒドロ虫類の仲間です。さまざまな形態のポリプが存在し、餌を捕獲する「指状ポリプ」や摂餌専門の「栄養ポリプ」、生殖体を作る「生殖ポリプ」のように、役割の異なるポリプで群体が形成されています。生殖体は4本の水管と8個の触手瘤を持つ不完全な形のクラゲ(真水母様体)です。
おすすめの観察ポイントは指状ポリプが先端に持つ「有頭触手」で、花火のような形状がとてもかわいいですよ。触手の数は同種内でもかなりの差があるため(4~20本)、群体ごとに見た目が変わるのも面白いです。今回、江の島の海に潜水調査に行ったトリーターが、本種が付着したヤギの一種を見つけて採集してきました。
ポップなルックスのマニアックなヒドロ虫類です。ぜひじっくり観察してみてください。