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えのすいトリーター日誌

2018.02.18 トリーター:倉形

2018/02/18 なわばり


えのすいで飼育しているフンボルトペンギンは、全部で22羽います。
このペンギンたち、それぞれになわばりがあります。ほぼペアでなわばりを主張します。
ペアでなわばりを主張すると言いましたが、全部がオスとメスのペアでは無く、メスとメスの仲良しペアもいます。
朝まだ開館する前、私たちトリーターが掃除を始めるまでは、大体全羽自分のなわばりで休んでいます。
掃除が始まり出すとペンギンたちも仕方なく自分たちのなわばりを離れ、しぶしぶプールに入り、水中で羽繕いを始めます。
現在、陸場の中央付近に設置している巣箱では、卵を1個抱いているペアがいます。
朝の掃除時、離れたところからそっと覗くと2羽で仲良く巣箱でいる時もあれば、どちらか1羽が卵を抱いている時とそれぞれです。
当然、魚が貰える時間になるとペアで卵を交替で抱いて魚を食べに来ます。
時々お腹が空き過ぎてしまい、1羽が抱いていた卵を放置して巣箱から出て来てしまうことがありますが、先に魚を食べ終わった親ペンギンが慌てて卵を抱くような場面もあります。
卵を抱いている親ペンギンたちは、日頃よりも神経質になっているため、他のペンギンたちや私たちトリーターが巣箱に近寄り過ぎると巣箱から身を乗り出して嘴で突いて近寄らないでくださいと言わんばかりに警告して来ます。
普段、穏やかペンギンたちでも卵を抱いた瞬間から親としての自覚が芽生え、必死で卵を孵化させ、子育てをしようとする姿勢に人間である私たちも見習うべき部分があるように思います。

ぜひみなさん、卵を温めているペンギンたちのようすや、ペンギンショー「ペングィーン!」を見に来てください。

ペンギン・アザラシ


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2018.02.17 トリーター:笠川

2018/02/17 食いっぷりがいい!

ミズクラゲ
ミズクラゲ

もりもり食べてくれると、実に気持ちがいいものですよね。
また、もりもり食べて、喜ばれたことがある人も多いはずです。
もりもり食べられるということは、元気である証拠です。

これは、人間だけの話ではなく、動物たちも同じです。食べるということは、生きるということにつながります。
私たち飼育員は、飼育動物たちの摂餌、エサ食いなどをよく観察して、日々の体調を把握しています。健康管理をする上で、とても大事な観察になります。
やはり調子を崩し始めると、ごはんをあまり食べなくなり、ひどくなると全く食べなくなってしまいます。こうなってしまうと本当に大変です。私たちは、どうにかして食べさせようとあらゆる方法を行います。

水族館にいるイルカやペンギン、魚などは、普通に食べにきてくれるものがほとんどなので、エサへの食いつきがすぐ見てわかります。
ただ、クラゲはそうはいきません。基本、触手を伸ばし、自分に触れたものに反射的に反応して、エサを得ます。自分で狙いを定め、近寄り、食いつくということはありません。
クラゲたちのエサ食いを見るためには、時間が必要です。水中に漂うエサを触手で捕まえ、口に運び、胃に入れる。ここまで経つと、エサ食いがわかります。
ほとんどのクラゲは、透明、半透明であるため、胃がスケスケです。ばっちり食べたもの、量が把握できます。エサの量の調整や、状態の良し悪しはここでしっかりチェックしています。

どのクラゲもよく見ればわかりますが、特に、ミズクラゲや、今でいうと、リクノリーザ・ルサーナやキャノンボールジェリーなどは、本当に食いっぷりがいいです。
根口クラゲの仲間は、食いっぷりがいいと、エサが口から胃へ上がっていく過程も分かります。ぜひ、ご注目を!

給餌は、一日3回。朝・昼・夕方とあげています。開館してすぐ、お昼頃、閉館前などがわかりやすいかと思います。(ただ、何時と決めているわけではないので、多少のズレはご了承ください。)
みなさんも、ぜひ、一緒に、クラゲたちの食いっぷり、エサ食いチェックをしてみてはどうでしょうか。お時間がある方は、経過も観察してみてください。


リクノリーザ・ルサーナ


キャノンボールジェリー

クラゲファンタジーホール


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2018.02.16 トリーター:伴野

2018/02/16 シリアスの体重は!?

「シリアス」体重測定できました!
「シリアス」体重測定できました!

皆さん、こんにちは!
前回のトリーター日誌で、ブリーディングプールで生活しているバンドウイルカの「シリアス」が体重測定を目指してトレーニングをしていることをご紹介しました。
[ 2018/01/28 目指せ体重測定! ]

その後、どうなったか・・・

2月10日、体重測定できましたーーー!!
その体重は236.5kg。
正直もう少し体重があると思っていました。
「シリアス」は現在、育児真っ最中。
母乳を作るなど子育てには相当なエネルギーを使うのでしょう。

体重が分かったことにより、「シリアス」の健康管理にも役立てることができるようになりました。
まず、給餌している魚のカロリーを大幅に上げました。
カロリーを上げてから5日目の体重は238.0kg。
すこしずつ体重は上がってきましたよ。

そして体重測定とは別に最近、本格的に行っていることがあります。
それは搾乳です。


搾乳風景

「シリアス」のお乳がどれくらい出ているのか詳しく知るため、本格的に始めました。
実は最近、搾乳をしても少しにじむ程度であまりお乳が出ない日々が続いていました。
そこで本日乳腺の周りをマッサージしてから搾乳をおこなったところ、すごい勢いでお乳が出てきました!!
マッサージの影響なのか、カロリーを大幅に上げた影響なのか、はたまた別の要因なのかさだかではありませんが、これほど勢い良くお乳が出たところは初めて見ました。
今後も引き続き調べていきたいと思います。

「シリアス」親子が健康に過ごせるよう、できることを考えて実践していきたいと思います!

イルカショースタジアム


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2018.02.16 トリーター:櫻井

2018/02/16 今週のおすすめ


今週のおすすめは水槽コンテストです。地元の中高生たちが斬新なアイディアをひねり出し、高クオリティな展示を作りました。
コンテストというからには、当然投票を行い最優秀賞を決定します。これは日頃のメンテナンスにも力が入りますね! 学生さんは授業が終わると各々の予定でメンテナンスに来ています。

では全5つの水槽を簡単にご紹介していきます。

エントリー№1 南極の神秘

これは素晴らしい。流氷のレイアウトも素晴らしいですが魚とクラゲの混泳チックな発想が金メダル。

エントリー№2 Submarin Volcano
火山だ! 火山を真っ赤なエビが登っています。迫力もありますが赤で統一された魚種選定センスに金メダル。

エントリー№3 魚たちの深海大冒険
深海に続くかのような、底砂の傾斜が素晴らしすぎる。表現力の金メダル。

エントリー№4 山水幻の遺跡
遺跡だ! 水槽上部のミストが幻感満載でミステリアス。水槽内の雰囲気が金メダル。

エントリー№5 魚達のテーマパーク
明るくて楽しそう! 90cm水槽だけど入って遊びたくなります。博物館でテーマパークを再現する妙に金メダル。

投票は既に終了しており、コンテスト結果は2月19日(月)より発表予定です。優秀賞を取るのはどこのチームか、これはもう私には想像もつきません。
結果発表前の土日に来場される方も、結果が出た後に来場される方も、自分なりの優秀賞を探してみてください。本当にどの水槽も金メダルです。

[ 第7回 えのすい主催 水槽コンテスト作品展 ]


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2018.02.15 トリーター:戸倉

2018/02/15 気になる視線と水槽メンテナンス

ババガレイ
ババガレイ

今朝は小田急線のダイヤが乱れ、いつもより遅く水族館に到着したので、少し慌てながら水槽の見回りをしていると、何か強烈な視線と白い塊が目に飛び込んできました。 

見ると・・・ん?? ババガレイ?

そうです。上半身を持ち上げて、目線を高くして水槽の外を覗きこんでいたのです。
両サイドのヒレ(エンガワ)の部分を上手に曲げてバランスをとっています!
何か水槽の外が気になったのでしょうか? 
私が顔を近付けると更に上半身を持ち上げて目線を高くしてきます。
その内、何かに納得したのか?上半身を下げて、いつもの“平べったい姿”に戻ってしまいました。
急いで見回っていた私に「少し落ち着きなさいよ!」と結果的に教えてくれたのかな?と思える時間でした。

このカレイはもう5年以上飼育されており、時々このように“人間っぽい”行動を取ることがあるようです。
現在、オオカミウオの水槽に同居していますので、ちょっと覗いてみてください。
目が合っちゃうかもよ??


水族館では開館までに行わなければならないことが山のようにありますが、今日は(たまたま撮った)その一部をスナップ写真でご紹介しましょう。


「今上陛下のご研究」(掃除中)

「今上陛下のご研究」には、小さな水槽がたくさん並んでいます。
陛下がご研究をされております「ハゼ」の仲間と、秋篠宮殿下がご研究をされております「ナマズ」の仲間を展示させて頂いておりますが、ちょうど覗きやすい高さにしてあるので、逆に汚れも目立ってしまい、掃除が欠かせません。


テーマ水槽(展示替え中)

「テーマ水槽」はシーズンごとにテーマを変え、そのテーマに沿った展示をするようにしています。
(時々???な時もありますが、ご容赦ください。)
ちょうど昨日で“バレンタイン”が終わりましたので、本日から一部“ホワイトデー”にちなんだ展示に切り替えているところです。
[ テーマ水槽「恋する“えのすい”」 ]


相模湾大水槽(底砂掃除中)

「相模湾大水槽」は毎日ガラス面の掃除などを行いますが、週に一度は底砂の掃除を行っています。
岩や砂利の隙間に落ちた魚たちの食べ残しをそのままにしておくと、水質を悪くしてしまうので、定期的に大きな掃除機のような物で吸い取ります。
(手作りの掃除機ですが、けっこう力が要ります。)

あっ、ちなみにこの写真は作業の通りすがりに私が撮った物で、決してサボっていた訳ではありません。


このように、お客さまをお迎えする前には水槽掃除の他にも、館内の各所で掃除や準備・整備が行われています。水族館に来られたお客さまが快適に過ごせるように万全の準備をして、みなさまのお越しをお待ちしております。


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2018.02.14 トリーター:遠山

2018/02/14 私の集大成!!


私が“えのすい”で働きはじめて2年半になります。
そろそろ私の集大成が、ようやく形になり始めています。
もうご存知の方も多いと思いますが、ちょっとしたイベントを3月に期間限定で実施します。
何をするかって!?
それはアザラシプールで実施します。
ただの給餌時間ではありませんよ。
どんな事をするのか!?
それは、遊びにいらっしゃった時のお楽しみにしておきましょう。

ここにきてアザラシのイベント準備が着々と進んでいます。
実は去年の12月あたりから準備を進め、本日マイクを使用して練習という形でみなさんの前で披露する事が出来ました。
まだまだ手直しが必要ですが、アザラシに関わる5名のトリーターで、ここまで来れたかと思うと胸が一杯になります。
でもこのイベントを実施するにあたり、私たちトリーターだけが頑張ったわけではありません。
このイベントをするにあたり、音響やショーの進行をする制作チームが関わってくれています。
この制作チームのスタッフの力がなければ、ここまでに至る事は出来なかったと痛感しています。
いつもビデオチェック、音響チェック、さまざまな提案を私たちにしてくれて、より良いものを提供しましょうという気持ちがひしひしと伝わってきます。


みなさんもタイミングがよければ、マイクを使用した練習風景をご覧いただけるかもしれません。
ちょうど1ヶ月後に新しいイベントがスタートします。
自分たちが出来る事を最大限に生かし、みなさんに感動と笑いをお届けできるように!!
お楽しみに!!

ペンギン・アザラシ


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2018.02.13 トリーター:鈴木

2018/02/13 フウセウオの子どもたち展示までの道のり(長文注意!!) 


こんにちは、鈴木です。
今回は久々に長いですよ。みなさん覚悟してお付き合いくださいね(笑)

1月26日よりフウセンウオの展示が始まりました。
なかなか好評のようで嬉しい限りです(^^)
さて、このフウセンウオという魚は「北の海のアイドル」なんて言われるくらい可愛いく人気のある魚で、色、形、顔どれを見ても、‘可愛い’の塊のような魚です。
えのすいでは過去に何度か展示をしたことがありましたが、今回の展示は一味も二味も違います。
その自信の理由は何かと言いますと・・ まずは展示水槽の大きさ!
今までは水槽内に吊るした小さなケース内で小ぢんまりと展示をしていましたが、今回は太平洋エリアの冷たい海の水槽丸々一つを小さなフウセンウオ一種のみで貸し切っての展示になっております。

え?
でも小さなフウセンウオを大きな水槽に入れたら見えなくなってしまうのでは?

と思った方・・ その心配はありません。
確かに例年通りの数匹程度を大きな水槽に入れたら殆ど何も見えず、展示として成り立ちませんが、それこそが今回最も自信を持ってお勧めできるポイント・・展示しているフウセンウオの数です!

実は現時点で、約 200匹のフウセンウオが入っているんです。
流石にこの数がいれば小さなフウセンウオも見えないということはありません。
むしろ密集するとやや気持ち悪いくらいです(笑)
でもこれは結構すごい数字です。
他の水族館でもフウセンウオは見られますが、この数を展示している水族館は滅多に見られないはずです。
ではどうやってこんな多くの数を集められたかといいますと・・・
今回繁殖が成功したからなんです。
つまり展示しているフウセンウオは全てえのすい生まれです。
フウセンウオの繁殖は、えのすいでは初めてのことですが、今回は偶然うまくいったわけではなく、色々と情報を集め計画的に繁殖を狙っての成功でしたので喜びもひとしおでした。
しかもここまで多くのフウセンウオが育つとは思っておりませんので、大成功です。

あ、因みに裏の水槽にもまだ約 200匹程いますよ。まだまだ余力十分です。
以前より担当トリーターみんなで「大きな水槽にいっぱいにフウセンウオを展示してみたいね」と夢見ておりましたが、今回はめでたくその夢を叶えることができました。
ただ、やはりフウセンウオの繁殖から稚魚の育成は初めての経験なので、展示までの道のりは常に手探りで、不安と苦労の連続でした・・。

・・と言うわけでプロローグはここまで、いよいよここからが本題です。
(まだまだ続きます・・)

今回繁殖が成功しフウセンウオについて色々なことが分かりましたので、ここからはフウセンウオの産卵、育成から、こうしてみなさんにお披露目できるようになるまでの道のりを、飼育で得た情報や卵や稚魚の成長記録なども含め書いて行きたいと思います。(みなさま、もうしばらくお付き合いください)

ペアリング~産卵
最初にオスとメスの違いですが、見た目としては大きくなって成熟する頃にならないとはっきりと分かりません。
大きな特徴はオスはメスに比べ背鰭が大きくニワトリのとさかのように立派なことと、サイズがメスの方が大きいです。(最終的なサイズはメスの方が1.5倍くらい大きくなります)


あとは、一つの貝殻に一匹のオスが入り、メスを招き入れるための産卵床(マイホーム)をつくるので、成熟サイズで貝殻に入るのはほとんどがオスです。
また、資料等は無く、確証はありませんが、今回複数を飼育した経験上、成熟し交尾をし始めるオスは全て黒っぽく、メスは(大きくなるにつれてと色は薄くなりますが)ピンクやオレンジのものばかりでした。
他で飼育されているフウセンウオの写真を見てもオスは一様に黒っぽいので、オスは黒っぽくなるのかもしれません。
実際、裏で飼育する親個体も搬入時(成熟前)はカラフルでしたが、オスはみな黒っぽくなりました。

オスは成熟すると大きな貝殻などに入り縄張りを作り、メスを誘います。
産卵間近のメスはお腹がパンパンです。

ペアリングが成功すると、メスは縄張り内に産卵し、その後オスが卵を守りながら孵化まで世話をするはずなんですが・・
今回複数のオスがペアになり産卵が行われましたが、うちのオスたちはなぜか、卵の世話を一度もしておりません・・ 。
今回飼育した限りでは、産卵は夜間に行われ、朝水槽を見て卵の存在に気がつきますが、産卵された卵のほとんどが水槽内に散乱した状態で見つかりました。

最初は貝殻の外にメスが生んでしまったのか?などと考えておりましたが、その謎を解く決定的な出来事があったんです。
ある朝、水槽を見ると貝殻の中に産み落とされた卵がありました。
ようやくオスがパパらしいことをするのかと思いワクワクして見ていると、そのマイホームの持ち主であるオスは少し離れたところにいます。
しばらく見ていると、オスが卵に近づき、あろう事か卵を異物とばかりに一生懸命に外に掻き出しているではありませんか・・(オスは縄張りを綺麗に保つ習性があります)。
なるほど、そういうことか・・。

これを見て、毎回卵が水槽内に散乱している理由が分かりました・・ 。
確かによく考えてみれば、フウセンウオの卵はそれぞれがくっ付いた塊で産み落とされるので、何かの力が加わらない限りバラバラに飛び散ることはまずありません。
調べてみると、このような事例は珍しくは無いようでしたが、貝殻が小さいのか、オス自体の問題なのか・・ 、いずれにせよ、育児をしない困ったパパたちでしたので、卵は全て人工的に育てました。



卵の飼育~孵化
今回は2016年に北海道から搬入し、バックヤードで飼育していたフウセンウオたちが2017年3月頃から複数回産卵しましたが、最初と2回目の産卵では発生が進まず、すぐに腐って死んでしまいました。
発生が進まないのは飼育方法が悪いせいなのか・・
それともペアリングがうまくいっていないからなのか・・
など色々と悩み、やっぱりそんな簡単にうまくいかないかとネガティブになりかけていた時、おそらくまたダメだろうと思っていた3回目に産卵した卵に何やら変化が・・・ 。
なんと卵の発生が進んでいます!この瞬間は本当に嬉しかったです。
もちろんまだまだ先は長いですが、大きな第一段階の壁を乗り越えた瞬間でした。
その後は数回の産卵がありましたが、全てうまく発生してくれました。
結果から言えば、最初の未発生の2回は未受精卵だったようです。
でもそれが分からないうちは不安でした・・ 。それもこれもオスが卵の面倒を見なかったせいです・・ 。
その後、20日くらいで赤ちゃんの形が出来始め、30日くらいで眼がはっきりとしてきます。
40日くらい経つと卵黄の吸収が進み、形もはっきりとしてきます。
さらに孵化直前になるとしま模様が鮮明になります(生まれたばかりのフウセンウオの赤ちゃんの多くはしま模様をしています)。
そして、いよいよ孵化が始まります。
飼育水温 6~7℃では 50日程で孵化し、約 5mmの赤ちゃんが生まれました。

フウセンウオふ化の瞬間などの映像はこちらをご覧ください!
“えのすい”生まれのフウセンウオ l YouTube


稚魚の育成
結果的に複数回の産卵で得た卵から合計で、なんと約 1,300匹が孵化しました。
喜ばしい事ですが、その後が大変です・・ 。
もう少し小規模な飼育を考えておりましたが、この数ですので、かなり大々的に飼育がスタートしました。

最初のうちはびっくりするくらい順調でこのまま全部大きくなるんじゃないか?と思いましたが、そんなに甘くはなかったです・・ 。
1ヶ月くらい経ったあたりからポツポツと死に始めて、その後、多い時には 1日 100匹くらい死んでしまうことも・・。
ただ、これは初期減耗と言って魚類の初期成長には必ず付いて回る壁で、自然の摂理でもあります。
自然ではすべてが生き残ってしまっては数が増えすぎてしまいますし、種の存続のためにも、生きる力の強い遺伝子が残っていきます。
でもここは水族館です、もう既に我々が介入してしまっている以上は自然の摂理であろうと、ただ死んでいくのを見ていることは飼育員としてはできません。
当然、より十分な設備があれば死んでいく数は減らせますので、それができないのは我々の力不足に変わりありません。
けれど本当に身勝手な話ですが、それでもなんとか死んでしまう数を止めようと、小まめな掃除はもちろん、設備の改善を重ね、可能な限り良い環境で飼育するよう努めました。

ようやく初期減耗が落ち着いた後も、病気が蔓延して、あわや全滅の危機に貧したこともありました。
また、水温をかなり低い温度(5℃)を保たなければ調子を崩して死んでしまうので、特に気温や水温が高い夏場は水を冷やすための機械(冷水機)もフル稼働です。
この時期に万が一電気系のトラブルやミスがあって数時間でも冷水機が止まってしまったら・・ 一発でアウトです。
本当に毎日冷や冷やしながらの飼育でしたが、日々可愛い姿に癒されながら、時に悩んで、癒されて、また悩み、また癒され・・ を繰り返し、孵化から約 9ヵ月後、安定して展示できるサイズ(4~5cm)まで成長したのは約 400匹です。
そこまで減っちゃうの?と思うかもしれませんが、普通は何百と生まれても残るのは数匹という世界ですので、この数は飼育員としては及第点かと勝手に思っております。
もちろん今回産卵したペアの遺伝子が、大変優秀だったことが大きいのかも知れませんが、それでも、担当トリーターが一丸となって一匹でも多く元気に成長させたいという想いと、何よりこの沢山の可愛い姿を絶対にみなさまにお見せする!という想いで、みんなで頑張って、毎日大事に飼育した結果だと思います。
やはり飼育がうまくいくorいかない、の要因は強く目的を持って、生物にどれだけ愛情を注げたかにかかっていると思います。

すみません、肝心な稚魚の成長について全く触れていませんでした・・ 。
孵化直後から餌をよく食べ、30日後には約 8mm、60日後には約 1.2cm、90日後には約
1.5cm・・ と、順調に成長しました。
最初はしま模様が濃いですが、成長と共に徐々に薄くなり、体が膨らんでフウセンウオらしくなる頃にはさまざまなカラーバリエーションが出てきます。
餌は主にエビ類で、成長に合わせて大きいものにしていきました。
(アルテミア → ホワイトシュリンプ(イサザアミ) → コマセアミ → オキアミといった具合です)
成長の過程は図をご覧ください。

さて、ようやく展示までの道のりもあと一歩・・
最後はこちらが考えている展示場所や展示計画で生じる懸念事項をクリアし、上からGOサインをいただけるかどうかです。
やはり大きな水槽を丸々使っての展示経験はないので、さまざまな懸念事項がありました。
大きな水槽で本当に大丈夫か?
結局見えなくなるのでは?
あの水槽を 5℃まで冷やせるのか?
やはり小さい水槽で展示した方が良いのでは?
・・などなど。
でもそこはさすが‘北の海のアイドル’の名は伊達ではありませんでした。
みなあの数の愛くるしい姿を見ると、「これは絶対展示するべきだよ!」とか、「これだけ可愛いからなんとかなるよ!」など、とても応援ムードで展示することについてはスムーズに話が進みました。
やっぱり可愛いは正義ですね(笑)
一番重要な、水槽を冷やせるか?という問題も休館日に実験し、クリア!
いよいよ展示の時が近づきます・・


いよいよ展示!
ようやくお披露目です。
大切に育てたフウセンウオたちを展示水槽に移す時が来ました。
とても楽しい瞬間ではありますが、ここは最も気を引き締めないといけません。
過去にも一生懸命に育てた魚をいざ展示する際、捕獲時に暴れて水槽から飛び出してしまったり、移動中にバケツから飛び出してしまったりして、体を傷つけてしまった・・という苦い経験がありました。
ただ、今回は暴れて飛び出すようなことはないので、その点は安心ですが、彼らの場合飛び出さない代わりに、くっついて離れないんです・・ 。
フウセンウオの腹ビレは吸盤状に変化しており海藻や岩肌にくっつくことができますが、その吸着力はすごいです。

実は今回稚魚から多数のフウセンウオを飼育して一番苦労したのは、「移動」と言っても過言ではありませんでした。
具体的には水槽やバケツにくっ付いて中々離れてくれないんです・・ 。
展示水槽への移動も大変でした。
まずは水槽にくっ付き、捕まえるのに一苦労です。
無理に剥がすと体を傷つけてしまうので、スポイトなどで水を吹きかけ、泳ぎだしたところを捕まえます。(気が遠くなる・・)。
岩にくっ付いているやつらは、岩を動かすと一斉に離れるのでその瞬間を狙います。
魚を掬う際には柄付きの容器などを使い、水ごと掬いますが(網を使うと体を傷つけてしまうのでなるべく使いません)、その容器から移動用のバケツに移す際にさらに一苦労・・
くっ付いてなかなかボウルから出てくれません・・ 。
水が干上がりそうになっても、くっ付いたまま・・ 。
パシャパシャと水をかけてもダメ。
やさしく突っついてもより緊張して吸着を強めるだけ・・ 。
あとはもう根競べです。
緊張が緩んで吸着を弱めたところを狙って移していきます。
どうしても動かないものは・・・、仕方ないのでくっ付いたまま指で少しずつスライドさせます。

バケツに入れたフウセンウオを展示水槽へ移動します。
いよいよ展示です!(・・やっぱりここでもくっ付いてなかなか動きません)

こうして2018年1月26日より無事に展示を開始することができました。
苦労しましたが、その分喜びは大きかったです。展示できたときにはそんな苦労も吹っ飛びましたけど。
今回最も懸念していた後ろに隠れてしまうのではないか?という不安も展示後すぐに解消。
ちゃんと見やすい位置の岩や擬海藻にくっ付いてくれました。

因みに、現在、水槽には2家族(2017年3月4日産卵・4月23日~28日孵化、2017年3月15日産卵・5月7日~11日孵化)のフウセンウオの子が入っております。

その後、展示したフウセンウオたちはやはり広い水槽に出たからか、ぐんぐん成長し既に子どもではなくなっている個体もおりますので、可愛い時期を見たい方はぜひお早めに。
あと、今回フウウセンウオを上手く飼育できた要因としては、水温を可能な限り下げたことです。
彼らは極寒にすむ種ですので、8℃を超えると調子を崩してしまいます。
現在飼育水温が約 5℃ですが、これは正直この水槽で下げられる限界を超えていて、残念ながら気温や海水温が低い今の時期だからこそできる展示なんです。
もちろん、あらゆる手は尽くすつもりですが、やはり暖かくなって、水を冷やせなくなってくると展示の継続が難しくなってしまうかもしれません。
なのでみなさん、まだまだ寒い日が続きますが、そんな寒さを好む可愛らしいえのすい生まれのフウセンウオたちにぜひ早めに、会いに来てくださいね!

みなさま、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
本当にお疲れさまでした(^_^;)
文章量的には1年分くらい書いたかも知れませんね・・ 。

最後になりましたが、フウセンウオの繁殖についてご教授いただいたみなさまに、この場を借りて感謝申しあげます。
本当にありがとうございました。

太平洋


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2018.02.12 トリーター:水村

2018/02/12 距離が縮まった!

フンボルトペンギン「フク」
フンボルトペンギン「フク」

みなさん、こんにちは。
私はペンギンの飼育をしているトリーターの水村です。

ここ最近は、ペンギンたちとカプセルトレーニングをしている私。
以前までは彼らを呼んでも、寄って来てくれない日々が続いていましたが、トレーニングをしたり、空いている時間に触れ合ったり遊んだりしている間に、私と彼らの距離がグッと縮まりました!
中でも、カプセル練習をしているフク(青と赤のタグ)。「待て」の練習をしているユメ(ピンクのタグ)は、私がペンギン舎へ入ると、姿をみつけて足元まで来てくれるようになりました。

先日、私が、岩の上で座っていると、フクとユメが足元にやって来たので、試しに、ユメを抱っこして足の上に乗せてみたところ、すんなり応じてくれたので、私も思わず、にっこりしました。
この距離感、大事にしていこうと思います。


フンボルトペンギン「ユメ」

ペンギン・アザラシ


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2018.02.11 トリーター:佐野

2018/02/11 恋する“えのすい”


現在、えのすいは「恋する“えのすい”」をテーマとして、各所がバレンタイン、ホワイトデー仕様になっています。
そんな中から今日はテーマ水槽をご紹介します。

ニシキテッポウエビとギンガハゼ (上)
テッポウエビの巣穴に住まわせてもらう代わりに、ハゼは巣の入り口で見張り番をします。
お互いを必要とし、支え合う両想いな関係です。


カクレクマノミとシライトイソギンチャク

言わずと知れた人気コンビです。
クマノミはイソギンチャクに隠れることで、敵から身を守ってもらっていますが、イソギンチャクにいいことがあるかどうかは諸説あります。
クマノミの片思いでしょうか。
そんな関係をキンチャクガニがチアリーダーよろしくイソギンチャクのポンポンを振り上げて応援(実は威嚇)しています。


アカハライモリ
その昔、惚れ薬としてイモリの黒焼きが出回っていたそうです。
好きな人に直接振り掛けたり、食べ物に混ぜたりしたようですが、いずれもバレたら嫌われてしまいそうですね。
フグと同じ毒も持っていますので、なかなかスリリングな薬だったようです。
今、ちょうどオスが発情をむかえているようで、メスに猛アピールしています。
あまり相手にしてもらえていないようですが・・・。


チリメンナガクビガメ
その見た目のインパクトに驚く方が多いようです。
びっくりするほど長い首に目が行きがちですが、個人的には顔がイチオシです。
おもちゃのような目に口角を上げたような口元を正面から見てみると、にやりと笑ったような顔に見えます。
首を伸ばしてチョコレートを待つあなたにおすすめです。

まもなくバレンタインデーです。
女子のみなさん、チョコレートの準備は進んでいますか?
最近では男性から贈るチョコや男性同士の交換なんてものもあるそうです。
えのすいで素敵なバレンタインをお過ごしください。

テーマ水槽


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2018.02.10 トリーター:志村

2018/02/10 もうすぐコツメカワウソの新展示がスタートします!!


コツメカワウソはかわいいお顔と愛らしい姿から大人気ですよね。
もうすぐ仲間入りで私たちもとっても楽しみにしています。
男の子3頭と女の子1頭の4頭がえのすいにやってきますよ~

ただ今1歳の女の子コツメカワウソの愛称を募集中です。
ペンギンプール横に応募ボックスがあり、毎日たくさんの方が写真を見ながら名前を書いてくださっています。
みなさんで素敵な名前を考えてあげてください!!
[ 3月3日(土)新展示「カワウソ~木漏れ日のオアシス~」オープン! ]


そして、新展示がスタートする3月3日以降にもぜひコツメカワウソに会いにえのすいにいらしてくださいね。


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新江ノ島水族館 夜の探検隊
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