2007年10月26日
トリーター:伊藤

小田原・房・棘・蟹

今月 3度目の日誌となります伊藤です。
少し前になりますが、深海コーナーで絶大な存在感をアピールしている「ダイオウグソクムシ」の横で、ひっそりと?展示変更がなされました。
新登場したのは「オダワラフサイバラガニ」という世にも珍しい?タラバガニの仲間です。タラバガニというと大きな食用のカニ、というイメージがありますが、本種は最大でも甲幅 5~ 6cmと小さく、甲にはカブトムシみたいな角、脚部にはねこじゃらしのような房状のトゲが密生しています。動きはゆったりとしていますが、触角をピンピンと動かすようすがメカニカルでかっこ良いです。
相模湾沖の水深数百メートルに仕掛けた漁師さんのカニカゴで採集されたものです。ぜひ見てみてください。

ところで、名前の「オダワラ」の由来ですが、地名の小田原ではなく、人の名前です。
日本甲殻類学会の創設者で元会長の小田原利光博士に因んで名付けられたとのことです。
生物に人の名前が冠してあることはよくあります(シュレーゲルアオガエル、ラスバンマメガニなど)。
自分で発見した生物に自分の名前をつけるぞ!という場合もありますが、多くは記載者(生物の名前を付ける人たち)が生物の採集に貢献した人や尊敬する研究者から名前を拝借して冠する、という場合が多いようです。

オダワラフサイバラガニオダワラフサイバラガニ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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