2007年12月15日
トリーター:岩崎

冷凍食品がお好き?

みなさんこんにちは。
早いもので 12月も半ばにさしかかりました。もうすぐ今年も終わりですね。暮れの準備はもうお済みでしょうか?
先日私は正月物の買出しに三浦三崎港に行ってきました。三崎といえばマグロですよね。市場で冷凍マグロを入手してきました!
ちょうど私が行った時、港では冷凍マグロの束がクレーンで水揚げされている真っ最中でした。今の時期は 9月頃に出港した学校関係の実習船が入港のピークを迎えているそうです。全国の水産高校などの実習船が操船技術やマグロ漁を学びながら 2か月あまりの遠洋航海実習を終えて、漁獲したマグロを三崎港で水揚げするために寄港するのだそうです。
船内で急速冷凍された何十本もの大きなマグロたちがブドウの房のように吊るし上げられている様子はなかなか壮観でした。「マグロの町」三崎を象徴するような一こまでした。
さて、私たちに身近な冷凍魚ですが、水族館の生き物にとっても大変重要です。実は毎日与える餌として利用しています。特に私が担当している海の動物たちはサバやサンマ、シシャモなどの魚を毎日たくさん食べて暮らしています。
冷凍魚を与えているメリットは大きく分けて 3つあります。
まず一つ目は安定して入手できることです。獲れる時期にたくさん確保した魚を冷凍保存しておけば安定した量を仕入れることできます。
二つ目は価格が安定していることです。安定した量が確保されているので値段も安定するわけです。毎日与えるものなので「嵐が続いてしばらく漁には出られません」「時期でないので獲れません」「今週はあるけど来週はない!」「きのうはこの値段だったけどきょうはその 3倍!」では困ってしまいます。二つ目の「安定性」は大切なことなのです。
最後に寄生虫病の予防が挙げられます。自然界の魚には寄生虫を持ったものがかなり知られていますが、冷凍すると寄生虫は死んでしまいます。ですから動物たちにも安心して与えることができるわけです。
以上のように冷凍魚は「安定性」と「病気の予防」の点から鮮魚に比べて優れています。
急速冷凍した魚を− 20℃以下で保管すると鮮度を保つことができます。凍ったままではお腹をこわしてしまうので、一晩かけて自然解凍したものをその日の内に与えます。
しかし冷凍魚は鮮魚に比べてビタミン類が消失してしまう欠点がありますので、定期的に動物用のビタミン剤を魚に混ぜて与えます。毎日与えるものなので餌の管理は大変重要です。動物たちには私たちが食べられるくらい鮮度の良いものを用意しています。
イルカショースタジアムでは新鮮な魚をたくさん食べて冬でも元気な海の動物たちがお待ちしています。みなさんぜひ遊びに来てくださいね!

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イルカショースタジアム

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