2008年01月26日
トリーター:奥山(康)

拾い物

きょう、アシカやアザラシのバックヤード獣舎を掃除していて、ちょっと変わった拾い物をしました。
それは何かというと、ゴマフアザラシの前足の爪です。
天洋5という個体なのですが、どこかに引っ掛けて剥がしてしまったようです。
時々こんな風に爪を剥がしてしまうことがあります。

ゴマフアザラシは地上を移動するとき、お腹を地面につけたまま這って移動します。
前足を使うことはあまりありません。泳ぐときは後足を主に使って泳ぎます。
では、前足の爪は何でついているかというと、野生のゴマフアザラシは、普段は海岸近くで生活し、岩の上で休憩をしたりします。そして、繁殖は流氷の上でおこないます。
岩に登ったり、流氷に上がったりするときにこの爪が活躍します。また、身を守るときにも役立ちます。

アシカの仲間は後足に鋭い爪が生えています。この爪は体を掻くときに使います。

ゴマフアザラシたちの爪の伸び方は個体によりまちまちで、前足を良く使う個体は爪も自然に削れますが、あまり前足を使わない個体は、爪が長く伸びてしまいます。
爪が伸びすぎると、欠けたり剥がれたりしやすくなるので、時々ニッパで切ってあげています。

天洋5は爪が剥がれたところが化膿しないように、経口投薬と患部の消毒をおこなっています。早く新しい爪が生えてくるよう、ケアしていきたいと思います。
また、同じことを繰り返さぬよう、獣舎の点検もおこない、快適に暮らせるようにしたいと思います。

天洋5の爪天洋5の爪

ペンギン・アザラシ

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