2008年02月04日
トリーター:秋山

極寒の地で

きのうの節分は、久しぶりの大雪で少しワクワクもしていましたが、本当にとても寒かったですね~。
寒いときはトリーターたちの間でも、おしくらまんじゅうでもしようか?と話をしているくらいです。

実は、ペンギンの中にも、おしくらまんじゅうをしているようなペンギンたちがいるんですよ。
そのペンギンは、エンペラーペンギンです。
エンペラーペンギンは、ペンギンの中でも最大の種で、体長約 100~ 130cm、体重は 23~ 43kgくらいです。
そして、どんな鳥類よりも寒い環境条件に耐えながら、繁殖をします。

彼らは、繁殖期になると外敵のいない内陸の方に移動し、「コロニー」と呼ばれる集団を作ります。そして、ブリザード(地吹雪)が吹き荒れてマイナス 60度になる極寒の地で、長い間、オスは抱卵を続けます。
気温がマイナス 10度を下回ると、おしくらまんじゅうのように身を寄せ合い、密集した集団を作ります。身を寄せ合うことによって、熱を奪われないように体温を保ち、なるべくエネルギーを使わないようにするのです。

この集団は全体として大変ゆっくりと風下に向かって移動しており、風上にいる個体は集団の側面にそって動いて集団の中央部に入り込み、ふたたび後方の風上側の位置にさらされるまで中央にとどまります。そのため、どの個体も集団の縁で寒風に身をさらし続けることはないんです。
ヒナがある程度にまで成長すると、ヒナを中心に親鳥や子育てを行っていない若鳥たちが周りを囲んで、ヒナたちを寒さや外敵から守ります。
密集した時の中心部は、外気よりも 10度以上高くなるようです。みんなで、助け合っているんですね。

きょうは、立春らしい陽気な天気になりましたが、まだまだ寒い日がやってくると思いますので、そんなときは身を寄せ合って、温もりを感じてみるのもいいですね。

エンペラーペンギン(日本水族館立体生物図録)エンペラーペンギン(日本水族館立体生物図録)

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