2010年02月15日
トリーター:唐亀

君の名前


“えのすい”の小窓水槽にメキシコサラマンダーがおります。
これをご覧になると、大抵「ウーパールーパーみたい」という声が・・・ 。「あ、同じものです」。

25年前(!)企業キャラクターとしてCMで有名になった「UFOからやってきた愛の使者」というウーパールーパー。おりしも珍獣ブームのさなか、コアラ、エリマキトカゲにつづいて大人気になりました。
しかし、この動物自体はもっと昔から知られていておりました。アホロートルという名前で。

さて、3つの名前が出てきましたが、ここで少し整理いたしましょう。
まず、この生物の本当の名前が「メキシコサラマンダー」です。この種類は幼生(カエルでいうところのオタマジャクシ)の形のまま成熟するのです。幼形成熟とよばれる現象で、近縁の数種でもみられます。
この幼形成熟したものを現地メキシコの呼び名で「アホロートル」と呼ぶのです。
ちなみにメキシコサラマンダーは幼形成熟が基本で、ときおり事故的に成体に変態する種類なのです。
変態した場合、頭部にある外鰓が無くなり、陸上で暮らすようになります。そして「ウーパールーパー」は生物学的には意味を持たない芸名のようなものなのですが、今ではこちらの方が通りがよいようですね。
そういえばプンクックっていうのもありましたね。余談ですが。
実験動物などで飼育されている歴史は古く、たくさんのカラーバリエーションがあります。実は現地では絶滅に瀕している保護動物なのですが、それ以前に持ち出されたものがよく増やされているので流通しているのです。

アホロートルは「水に遊ぶ者」という意味を持ちます。
神話にも登場する生き物で、ある神様の化身として登場します。
だいたいこんなお話。
「アステカの神々が太陽を創造するため、神々は喜んで自分の身を捧げていく中、金星にあたる神ショロトルはそれを拒み、いろいろな物に身を変じて逃げ回ります。結局一人になったショロトルは泣き濡れて目玉を失ってしまいます。」
その時、水に入って変じたものがアホロートルだったそうです。

小窓のメキシコサラマンダー(アホロートル)は、赤虫をスポイトで与えようとすると、スポイトに噛み付いた直後、ぼーっと立ってみたり、抜けたキャラクターが売りです。
海水でOKならウオゴコロに出れるのに・・・(最近モノドンがサボタージュするので困っているところなんです)。

メキシコサラマンダーメキシコサラマンダー

RSS