2010年11月16日
トリーター:伊藤

近くに来ないで!デンキウナギ


現在、水族館の入口付近にいるデンキウナギ。元気にクリスマスツリーを光らせています。
しかし、展示前夜、みなさまが知らないところで、決死の作業がおこなわれていたのです。

私は今回、水槽内の擬岩作成係。展示前日は当直で作業にあたりました。
装置担当のMカメラマンと打合せながら、水槽内壁面に設置する擬岩と装置の一部が干渉しないように、デンキウナギ収容前に手堅く水槽のセッティングを済ませた・・・ つもりでした。
作業がひと段落し、そろそろ寝る前の見回りに行こうかという時刻、不吉な電話がなりました。
電話口より「どうもツリーの光が弱い」とのこと。ますます嫌な予感がします。
水槽周りを調べてみると、思いのほかデンキウナギの発電が弱く、擬岩が装置への電気の感知を阻害しているらしいのでした。
急遽、水槽内の装置を移動させる必要が出てきましたが、ウナギ収容後に手を突っ込む算段がなかったため、絶縁手袋が、ありません!
時間がない!
これはもう、素手で作業するしか!
ということで、私と、現場に居合わせた広報室長の 2人で、恐怖の作業が始まりました。

一般的に、デンキウナギの電気は体に触れるか、よほど近づかない限り大丈夫だとされますが、水槽に手を入れると、やつは興味を抱いて近づいてくるのです。
ウナギが近くに来るたびに「やばいっ!」と手を遠ざけながら作業をしていましたが、相手は死角から近づいてくることもあります。
作業に集中していると、突然、室長から「伊藤君!ウナギがっ!」と指摘が。
次の瞬間「バシッブルルルウン!」という感じで指の先から肘くらいまで感電してしまいました。
思わず機材をつかんだまま手を引っ込めたため、コードのつなぎ目が外れてしまい、また一作業追加、すみません。

結局、作業の間、私が 2回、室長が 4~ 5回、やつの放電を食らう羽目になりました。
正直、思っていたほど強くなかったですが、もう体験したくない嫌な衝撃、しかし、なぜか食らうと笑いが止まらなくなる、深夜の一幕でした。

・・・ いないとは思いますが、たいへん危険なので、絶対に真似しないでくださいね。

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