2011年01月21日
トリーター:唐亀

龍宮の使者


寒い日が続いておりますが、国道脇の植え込みには今年もメジロが遊んでいます。
メジロはかわいいのですが、寒さにはてんでかたなし唐亀です。

先日 18日に小田原の定置網に乗船させていただき、魚の収集に行きました。
大寒も近い頃ですので、たいそう寒いを想定して装備を揃えていざ乗船いたしました。
この装備の塩梅がなかなか難しいのです。
移動中等に暖かい装備にしてしまうと、動きづらい上に網を引いたりすると暑くなってしまうのです。
また、足と手がしんしんと冷えると、より寒さを実感してしまいます。今では靴用のカイロ等があって足はなんとかなりましたが、如何せん指はどうすることもできず、厚手のゴム手袋をしていても、かじかむに任せるしかありません。
しかし、漁師さんはみな軍手をしているんです。作業優先なのですね。

この日の網には主にカタクチイワシ、サバ、アジ等が入っていました。
しかし、個人的にお目当てだったタイの仲間やフグの仲間が見られなかったのが残念でした。

次の日私はお休みだったのですが、まさに前日乗船させていただいた定置網にリュウグウノツカイが入っていたとの連絡がありました。
体長 2mほどで、泳いでいるものでした。
“えのすい”から小田原漁港にトリーターが到着した時にはすでに息絶えていたため、“えのすい”には搬入せず、そのまま生命の星・地球博物館へ運ぶこととなったようです。
思えば、小田原の定置網に乗船させていただくきっかけとなったのが、昨年 2月にこちらの定置網に入ったサケガシラでした。もうすぐ一年になるのですね。
昨年の乗り始めでは、カナガシラやヨリトフグなどの深いところにすむ魚が入っていたものです。
今年はまだなのかなぁと思っていた矢先にリュウグウノツカイが入ろうとは。
しかも私たちが乗船した次の日に。
「チョウチンアンコウとってくるねー」
などと深海王子にうそぶいたりしたのでバチがあたったのかしら。

しかし、この定置網は結構岸近くにあって、道路からでもその全容が見えるくらいなのです。
そんなところにリュウグウノツカイが来るんですよ。
かつて旧館の時には生きたまま打ち上げられたチョウチンアンコウを展示できたこともあるし、少なくとも海上から“えのすい”の見えるところでも深海があるのです。
凄いですね、相模湾。

リュウグウノツカイリュウグウノツカイ

RSS