2011年11月05日
トリーター:植田

秋の学会シーズン


以前にもこのコーナーでご紹介したことがあるかもしれませんが、水族館の関連する学会が年に 1度か 2度、研究集会や学術大会といった名称で研究発表の会合を開催します。
また、オリジナルの研究成果を纏めた形の内容を講演するシンポジウムも開催されます。多くの学会がそのような会合を春季か秋季に開催する様で、今は秋の学会シーズンとなっています。

今年も 9月の「日本野生動物医学会」を皮切りに、「日本爬虫両生類学会」、「日本甲殻類学会」「日本付着生物学会シンポジウム」など、当館職員が学会員として加入している学会で幾つかの研究成果の発表がおこなわれました。
このうち、10月 8- 10日に亘って開催された爬虫両生類学会では、江の島の島内に生息するヌマガエルについて報告し、江の島へは藤沢市本土から流出する河川が降雨のために増水した折などにその流れに乗って河口より数百m先の江の島の海岸までたどり着いたのではないかとの仮説を提示しています。
この仮説の妥当性を検証するため、ヌマガエルの塩分に対する耐性の実験もおこない、江の島北西岸で測定される海岸間際の塩分程度の汽水ならば、本種は全く問題なく耐えられることも分かりました。
このような知見は、学会発表に止まらず、月替わりでテーマを変えて生物を紹介する「テーマ水槽」のコーナーでも取り上げ、来館されるみなさんに紹介しています。

ヌマガエルヌマガエル

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