2012年01月13日
トリーター:植田

掃除やってます


このコーナーでは時々我々トリーターが館内のどこかの展示エリアの整備をおこなっていると紹介することがあります。きょうもその話題を一つ紹介させていただこうと思います。

昨年の 12月10日から、海水温の低下に伴ってウミガメたちは屋外の展示プールからバックヤードの加温できる予備プールへと疎開しています。
今年の冬季展示は「がんばれ!東北の水産養殖」と題して、東北地方で盛んに養殖されているマツカワ、クロソイ、マガキ、マボヤの 4種の生きものたちを展示しています。ここのプールのメンテを紹介しましょう。

このプールは屋外で、しかも直射日光を遮る屋根がありません。冬場は太陽の高度がそう高くないのですが、それでもお昼前から日没近くまでしっかりと太陽光線がさし込みます。特にここのところ南関東は晴れた日が多く、日照に恵まれています。
そんなわけでプールの壁面やガラス面にどんどんコケ(付着珪藻)がついて、盛んに成長します。1週間ほどで壁面はコケでこげ茶色に汚れてしまいます。汚れがひどくなると魚もカキもホヤもよく見えません。
そこで、プールの水を全て排水し、生きものを一時別の水槽に疎開した上で、塩素剤を使って漂泊するように壁面やガラス面を掃除します。この塩素剤は食用-水道水に溶かして殺菌・消毒するのと同じもの-を使っています。
塩素剤の薄め液をかけるとたちどころにコケは漂白され、もとの明るい壁面となります。ガラス面もピカピカです。きれいになったら、ただちに海水を流し込み、塩素分を薄めながら洗い流します。
注水を開始したら、わずかに残った塩素分を中和するために、中和剤(金魚などの水替えで水道水を使うときにカルキ分を中和するハイポと呼ばれる薬品)を適量入れておきます。そしてほどなく満水になれば生きものを戻して、掃除作業は終了です。きれいになったプールではクロソイたちが群れを作って泳いだり、マツカワが底で獲物を待ち構えるようすがよくわかります。
この掃除作業、コケ汚れにもよりますが、大体 1週間に 1度のペースでおこなっています。

マガキ&マボヤ展示マガキ&マボヤ展示掃除中掃除中

ウミガメの浜辺

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