2012年02月20日
トリーター:武藤

カリフォルニアアシカのビル。


みなさんこんにちは。

きょうはカリフォルニアアシカの「ビル」について少しお話しようと思います。

以前にも少し話をしたかもしれませんが、「ビル」は体重 200kg以上もある大きな体をした雄のカリフォルニアアシカです。

そんな大きな体のビルですが、新江ノ島水族館で暮らしているアシカたちの中で、もしかしたら 1番かもしれないほど、とても臆病な性格をしています。

自分の部屋の中ではとても堂々としていて、いつもどっしりと構えている「ビル」ですが、その獣舎から出て 3mほど廊下を歩いていくと、辺りをキョロキョロと見まわし、すぐに自分の部屋に戻れるように後ろ脚は常に立てて力んでいました。
そこへ少しでも物音や話し声が聞こえると、一目散に自分の部屋へと帰って行き、その後は私の呼び掛けを無視するか、渋々部屋から出てきても自分の部屋の近くからは断固として離れないというのが「ビル」でした。

臆病な性格ということもあると思います。しかし、それよりも私が悔しかったのは「ビル」は私を信用していないということです。
だから、私と廊下に出た時も周りを気にして、いつでも自分の部屋に戻れるように身構えてたんです。
私といるよりも自分の部屋にいる方が安心できるからで、信頼関係が薄い証拠です。

しかし、それも以前の話になりつつあります。

現在は、イルカショースタジアムプール前・・・
とまではいきませんが、もうすぐビルの部屋からイルカショースタジアムへと繋がる廊下が終わりそうです。

外へ出るのは「ビル」のペースに合せて少しづつおこないますので、まだまだ先になりそうですが、「ビル」は以前よりも落ち着いて私の目を見るようになり、後ろ脚もリラックスしてきました。

毎日「ビル」が緊張しないように、声を掛けて、体を撫でて、と地道に少しずつビルと接するようにしたことがようやく薄っすらと形になってきました。

私は正直、地道にコツコツといったことがとても苦手です。
でも、「ビル」と仲良くなって信頼関係が厚いものになっていくのなら、私はどんなに微々たる地道なことでもおこなっていこうと思っています。

一日でも早く、みなさんの前に「ビル」と行けるように、今後も「ビル」と頑張っていきたいと思います!

カリフォルニアアシカ「ビル」カリフォルニアアシカ「ビル」

イルカショースタジアム

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