2012年07月27日
トリーター:植田

タッチプールの甲殻類


深海の有人潜水調査船「しんかい2000」の一般公開に先立ち、7月当初よりタッチプールのフロアーに深海生物のタッチ水槽が設けられました。
そこでの主役の一つが“手のひらサイズのダンゴムシ”とも呼べそうな「オオグソクムシ」です。
こちらは昆虫と同じ節足動物門の生物ですが、その中の甲殻類に属しています。

かねてからタッチプールにはエビの仲間のイソスジエビやセミエビ、さらにヤドカリの仲間のケスジヤドカリやケアシホンヤドカリといった甲殻類たちが先住民としておりました。
特に目立たないのはヤドカリたちでしょう。
というのも、タッチプールに暮らす全てのヤドカリたちは、巻貝の殻を宿舎にして、その中に潜むようにして生活しているので、本物のサザエやボウシュウボラ、イシダタミといった巻貝たちと見過ごされることが多いためです。

しかしよーく観察してみると、ヤドカリ同士が宿の貝殻をめぐって取っ組み合いをする様子だとか、周囲に敵(ヒトも含めて)の気配が無いと分かれば、そーと歩脚を伸ばして食べ物をあさるかのように歩き回るようす、ケスジヤドカリの宿の貝殻には天敵のタコ避けとなるヤドカリイソギンチャクがくっついているようすなど、さまざまな「生態」を垣間見ることができます。
タッチプールは、そーと触って調べることはもちろん、生きものたちの生態や行動を間近で観察することのできる格好の場所でもあるのです。

ケスジヤドカリケスジヤドカリ

タッチプール

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