2013年01月06日
トリーター:加登岡

蛇鮫


2013年がやってきました。
今年は巳年ということで今回は蛇のお話し・・・ ではなくて蛇みたいなサメのお話しをしたいと思います。

蛇のようなサメはラブカというサメです。
このラブカ、見た目が蛇によく似ているんです(個人的にそう思っているだけかもしれません)。
一般的に多くの人がサメをイメージする時は映画「ジョーズ」に出てくるホホジロザメのような形を想像するのではないでしょうか?

しかし、ラブカは体が細長く、尾びれに近いところに背びれが一つあります。
鰓孔の数は左右 6対あります。
スズキやタイなど一般的な魚(硬骨魚類)と、サメの仲間(軟骨魚類)とを見分ける簡単な方法として、鰓孔の数を数える方法があります。
一般的な魚の鰓孔が 1対なのに対し、サメの仲間は 5~ 7対あります。
多くは 5対ですが、ラブカは 6対あることが特徴です。
また口の位置も、多くのサメは口が頭の腹側にありますが、ラブカでは先端に開いています。
鋭い三又の歯が並び、これでイカやタコなどの生きものをとらえて食べます。
繁殖は卵胎生で、卵の殻に包まれた胎仔は子宮内で成長し、ある程度の大きさになると殻から出てきて、その後は母体の中で成長します。
妊娠期間は 1~ 2年と長く、さらには 3. 5年以上という説もあります。

かつては日本固有のサメと考えられていましたが、広く世界中の海に分布しています。
深海に生息しているため、飼育することがとても難しい種類でもあります。
現在、“えのすい”では生きている姿は見られませんが、深海Ⅱ~しんかい2000~のコーナーで標本を見ることができます。
ぜひラブカを見て「確かに蛇に似ている!」と共感してもらえると嬉しいです。

ラブカ標本ラブカ標本

深海Ⅱ-しんかい2000-

RSS